藤井聡太 vs 永瀬拓矢、王将戦第2局で見えた戦略と個性
王将戦第2局で見えた藤井聡太と永瀬拓矢の戦略と個性
おやつの選択が示すもの
藤井王将が選んだ抹茶ブラウニーは、京都の老舗和菓子屋「竹屋」が提供するもので、抹茶の豊かな風味としっとりとした食感が特徴です。この選択は、藤井王将の落ち着きと冷静さを象徴しているのかもしれません。対局中の精神的な安定を図るために、彼はこうした穏やかな甘味を好むのかもしれません。
一方で、永瀬九段はフルーツ盛り合わせを選びました。フレッシュで健康的な選択は、彼の持ち前のスタミナと集中力を維持するための工夫と言えるでしょう。彼の戦略は、持ち時間を有利に使い、相手にプレッシャーをかけることです。そのため、頭をすっきりさせ、鋭い判断を続けるために、フルーツのビタミンや糖分をしっかりと補給しているのかもしれません。
時間管理と戦略の妙
対する永瀬九段は、時間の面でリードを奪う戦略を取りました。彼の研究の深さと計画性がここに表れています。後手番でありながら、積極的に自分のペースで進めることで、藤井王将にプレッシャーをかけ続けています。このように、時間管理を駆使して相手を揺さぶるのは、永瀬九段の持ち味でもあります。
形勢は五分、戦型の選択が鍵に
今回の対局は「横歩取り」という戦型が採用されました。この戦型は、後手が誘導し、先手が受けて立つことで成り立つものです。ここで重要なのは、互いの飛車の使い方です。藤井王将が2筋中央に配置した飛車をどう活用するか、一方で永瀬九段が8二に構えた飛車をどのように攻めに活かすかが鍵となります。
立会人の久保利明九段によれば、飛車の抑え込みが一つのポイントとなるでしょう。永瀬九段は、藤井王将の飛車に抑え込まれないように展開しなければなりません。この駆け引きが、形勢を大きく左右する要素となるでしょう。
副立会の高見泰地七段も、永瀬九段の研究の深さと、藤井王将の未知への対応力を評価しています。永瀬九段が時間をリードしつつ、自分のやりたいことをしっかりと主張して指していることは、後手番としての戦術として非常にうまいやり方であると感じさせます。
[松本 亮太]