藤井聡太王将と永瀬拓矢九段の対局、勝負めしにも注目集まる
藤井聡太王将と永瀬拓矢九段の熱戦:勝負めしと戦略の絶妙なバランス
一方、永瀬九段は、一匹丸ごとのうなぎを使用した「うなぎ一匹重」を注文しました。うなぎは、スタミナを向上させる食品として知られており、特に長時間の対局においてその効果を発揮します。炭火で焼き上げられたうなぎは、香ばしい皮とふんわりした身が特徴です。この選択は、彼の攻撃的な戦略と合致しているように思えます。
永瀬九段の戦略は、対局の初めから積極的でした。彼は横歩取りの趣向から、早々に△9四歩と端を突くという意欲的な指し回しを見せ、藤井を揺さぶりました。藤井は慎重に対局を進め、永瀬の△8八角成に対しては通常の▲同銀ではなく▲同金を選択。この選択は、後手の△2八角を警戒したものとされています。藤井のこのような用心深い指し手は、彼の一手一手に読みの入った手を指すという抱負を体現するものでした。
対局は、永瀬が再び端からの攻撃を仕掛ける形で進行しました。藤井はそれに対し、端を手抜いて▲7七桂で応戦。真っ向勝負で永瀬の攻撃を迎え撃ちました。この▲7七桂の一手は、将棋の深い理解と大胆な判断が求められる局面であり、藤井の冷静さが際立ちました。
さらに、藤井は△9六歩の取り込みに対して▲9四歩と切り返す巧妙な手を見せました。以下の展開では、永瀬の攻撃を巧みにかわしつつ、持ち前の防御力を発揮しました。このような一手一手の応酬は、まさに将棋の醍醐味であり、観戦しているファンを魅了しました。
対局の合間に取られたおやつでも、両者の違いが浮き彫りになりました。藤井は午前に「豆大福」、午後には「抹茶ブラウニー」と、和と洋のスイーツを楽しみました。これに対し、永瀬は午前に「フレッシュジュース(オレンジ)」、午後には「フルーツ盛り合わせ」と「フレッシュジュース(グレープフルーツ)」と、果物を中心としたヘルシーな選択をしました。これらの選択は、彼らの個性と戦略に反映されているようです。
[中村 翔平]