エンタメ
2025年01月26日 08時20分

横浜流星主演『べらぼう』、江戸のメディア革命を描く

横浜流星主演の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』が描く江戸のメディア革命

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、江戸時代後期の文化発展に大きく寄与した「江戸のメディア王」蔦屋重三郎(通称:蔦重)の生涯を描く作品です。主演の横浜流星が演じる蔦重は、浮世絵や書籍の出版を通じて当時の日本文化を大いに盛り上げた人物として知られています。ドラマは笑いと涙、そして謎に満ちたストーリー展開で視聴者を引き込みます。

吉原と江戸城を舞台にしたダブルストーリー

本作は、遊廓・吉原を舞台にした蔦重の奮闘記と、江戸城を中心とした政治的陰謀を描いた二本立ての物語で構成されています。吉原編では、蔦重が呉服屋の資金を元に錦絵制作を試みますが、その知名度の低さが障壁となり資金集めに苦労します。彼が抱えるこの課題は、現代のビジネスシーンにおける起業家たちの奮闘とも重なる部分があります。資金調達の難しさや、知名度の向上をどう図るかというテーマは、何世紀も前の江戸時代にも共通する問題だったのです。

一方、江戸城編では渡辺謙演じる老中・田沼意次が、政治的駆け引きを通じて新時代の幕開けを画策します。田沼は経済政策においても重要な役割を果たし、蔦重に対しても経済の観点から助言を与える存在です。このように、吉原と江戸城という異なる舞台で繰り広げられる人間模様が、作品に奥深い魅力を与えています。

横浜流星と渡辺謙の師弟関係

主演の横浜流星にとって、この大河ドラマは初の挑戦となります。そのため、撮影現場では大きなプレッシャーがかかりますが、渡辺謙が彼を支えているといいます。渡辺は過去に大河ドラマで主演を務めた経験があり、若かりし頃の自身の経験を踏まえ、横浜に「枠にはまらず、好きなようにやろう」とアドバイスを送っています。横浜もこの助言を受け入れ、作品に全力で取り組んでいる様子です。

渡辺は現場でも「裏の座長」としての存在感を発揮し、共演者たちをまとめる役割を果たしています。彼のリーダーシップは、ドラマの撮影をスムーズに進めるだけでなく、俳優たちが自由に演技に取り組める環境を整えています。渡辺のサポートを受けた横浜は、次第にその才能を開花させつつあり、視聴者からも高い評価を受けています。

浮世絵と現代のメディアの共通点

蔦重が手がけた錦絵や浮世絵は、当時の江戸で一大ブームを巻き起こしました。これらの作品は、現代でいうところのメディアコンテンツとして、庶民の生活に密着したものでした。現代のメディア産業もまた、多様なコンテンツを通じて人々の生活に影響を与えています。このように、過去と現在のメディアの役割には共通する部分が多く、時代を超えてメディアが果たすべき使命が浮き彫りになります。

さらに、蔦重の事業展開は、今のデジタル時代における起業家精神とも共鳴します。彼の革新的なアイディアや挑戦する姿勢は、現代のクリエイターやビジネスマンにとっても大いに刺激となるでしょう。

視聴者を魅了するドラマの背景

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、初回放送からNHKプラスで過去最多の視聴数を記録し、好調なスタートを切りました。この成功の裏には、キャストやスタッフの卓越した技術と情熱が込められています。特に、渡辺謙のようなベテラン俳優が若手をサポートする姿勢は、作品全体のクオリティを引き上げています。

江戸時代の文化や歴史に興味を持つ視聴者にとって、このドラマは単なる娯楽を超えた学びの場でもあります。蔦重の生涯を通じて描かれる江戸の社会や文化は、多くの示唆を与えてくれます。

[伊藤 彩花]

タグ
#大河ドラマ
#横浜流星
#江戸時代