スポーツ
2024年11月30日 09時35分

神足茂利、再起戦で輝きを取り戻す!楽しむ姿勢で新たな高みへ

再起戦で輝きを取り戻した神足茂利 – 挫折を経て掴んだ“楽しむ姿勢”

ボクシング界において、敗北からの復活はただの勝利以上に選手の精神と技術の成長を示すものです。日本スーパーフェザー級5位の神足茂利(こうたり しげとし)もまた、そんな復活を印象づける戦いを見せました。11月29日、東京・後楽園ホールで行われた一戦で、神足は浜田力を3-0の判定で破り、見事に再起を果たしました。ここに至るまでの彼の道のりは、決して平坦なものではありませんでしたが、彼はその過程で“楽しむこと”の重要性を学びました。

敗北からの復活 – 神足の再起を支えたもの

今年4月、神足はライト級の試合で浦川大将に6回TKO負けを喫していました。この敗北は彼にとって大きなショックであり、約7カ月間にわたって苦しい日々を過ごしました。「毎日もがいていた。負けたことを忘れる日は一日もなかった。」と振り返る彼の言葉から、その苦悩の深さが伝わってきます。しかし、この挫折が彼を成長させる転機となりました。

9月初旬、神足は同門のWBC世界バンタム級王者・中谷潤人の米国合宿に参加しました。ここで彼は、“楽しむこと”の大切さを学びます。中谷やWBO世界フライ級王者のアンソニー・オラスクアガとの練習を通じて、「ボクシングを楽しむ姿勢」を間近で感じた神足。連敗を恐れ、緊張感に支配されていた彼にとって、これは大きな気付きでした。

「中谷君やトニーは、いい意味で張り詰めていなかった。彼らはやることをやって、あとは楽しんでいた。」と語るように、神足は自らの考え方を改め、楽しむことを意識し始めました。そして、試合に臨む際の心構えも変わり、リングシューズや入場曲を一新するなど新しい挑戦を取り入れることで心機一転を図りました。

心機一転で臨んだ一戦 – 勝利の要因とは?

浜田力との再起戦で、神足はその新たな姿勢が功を奏しました。試合開始から彼は左ジャブを上手く使い、相手の攻撃を冷静に捌きながらペースを掴みました。5回には強烈な右を受け一瞬ぐらつく場面もありましたが、彼は動じることなく立て直し、試合の主導権を渡すことはありませんでした。

この試合での勝利は、神足にとって単なる勝利以上の意味を持ちます。彼は「勝てたことが何よりもうれしい」と語りながらも、ここに安住せず「もっと強くなって、絶対にチャンピオンになります。」という力強い決意を見せました。

この再起戦の成功が示すのは、神足が単に技術的に優れているだけでなく、精神的にも大きく成長したことです。彼の新たな姿勢—楽しむことを忘れない—が、今後の彼のキャリアにどのような影響を与えるのか、非常に興味深いところです。

未来への準備 – 目指すはチャンピオンの座

今後の神足の目標は明確です。「そろそろチャンピオンにならないとやばいので、いつでもいけるように準備しておきます。」と語る彼の言葉には、次の挑戦への意欲と自信が満ちています。彼はスーパーフェザー級だけでなく、フェザー級でもタイトルマッチを視野に入れており、多方面での活躍が期待されます。

ボクシング界では、選手の技術だけでなく、その精神力や姿勢もまた重要な成功要因です。神足茂利は、苦しい時期を経て新たな視点を得ることで、己を再構築し、さらなる高みを目指す準備を整えています。彼が再起戦で見せた新たな姿勢は、彼の未来に輝きをもたらすでしょう。

この物語は、私たちに困難を乗り越える力を与えてくれます。失敗を恐れず、楽しむことを忘れずに新たな挑戦に立ち向かう神足茂利の姿勢は、誰にとっても学びとなるのではないでしょうか。次の戦いではどのような成長を見せてくれるのか、彼の未来から目が離せません。

[鈴木 美咲]