国際
2024年12月03日 16時12分

トランプ氏、ノートルダム大聖堂再開式で国際舞台復帰!背後に潜む国際政治の駆け引き

トランプ氏、ノートルダム大聖堂再開式典で国際舞台に復帰――その背後に潜む国際政治の動き

ドナルド・トランプ次期アメリカ大統領が、フランス・パリのノートルダム大聖堂の再開式典に出席することが発表されました。これは、2019年に火災で甚大な被害を受けた大聖堂の修復が完了したことを祝う式典で、50か国以上の首脳が集まる場です。トランプ氏にとっては、大統領選挙での当選後、初の海外訪問となります。この訪問には、表向きの祝賀行事を超えた、国際政治の舞台裏での駆け引きが期待されています。

ノートルダム大聖堂――再建の象徴と外交の場

ノートルダム大聖堂は、フランスの歴史と文化の象徴であり、その再建はフランスの誇りを取り戻す一歩として位置づけられています。マクロン大統領は、その復元において「過去を超えるような素晴らしい仕事」を成し遂げたとトランプ氏から称賛されました。トランプ氏のこの発言は、単なる友好的なリップサービスに留まらない可能性があります。マクロン大統領との関係を強化し、フランスとの連携を深めることで、トランプ氏はヨーロッパ全体での影響力を高めようとする意図があるのかもしれません。

制裁解除の見通しは依然厳しい――ロシアとの関係に課題

一方で、ロシアとの関係については、アメリカ国内外での議論が続いています。ロシア国営銀行VTBのアンドレイ・コスティンCEOは、次期米政権がロシアとの緊張緩和に努力する可能性があるとしながらも、西側の制裁が近く解除される見込みはないと述べています。トランプ氏は、選挙期間中にウクライナ紛争の早期終結を公約に掲げていましたが、実際に和平合意がどのように進むかは不透明です。

この制裁問題は、アメリカの外交政策の大きな試金石となるでしょう。特に、トランプ氏がどのようにしてロシアとの交渉を進めるのかは、彼の外交手腕が試される場面となります。ロシアとの関係改善は、アメリカにとって重要な地政学的課題であり、国際社会全体にとっても大きな関心事です。しかし、アメリカ国内では反ロシアの「ベクトル」が依然として強固であるため、制裁解除は容易ではないでしょう。

通商政策で新たな挑戦――関税戦争の再来か

ルトニック氏の任命は、アメリカの通商戦略における大きな変化を予告しています。彼は関税を「戦略的道具」として活用し、貿易相手国に公正な交渉を誘導する方針を持っています。この動きは、米中関係をはじめとする国際貿易のダイナミクスに影響を与えるでしょう。特に韓国や中国といった主要貿易パートナーに対してどのような政策が展開されるのか、各国は緊張を持って注視しています。

トランプ氏の2期目の通商政策は、関税戦争の再来を予感させます。彼の「アメリカ優先主義」は、製造業の回復と不公正な貿易慣行の是正を目指すものです。しかし、この強硬な立場が国際貿易にどのような影響を与えるかは、まだ未知数です。韓国はこれに対し、過去の経験を活かしつつ、新たな通商戦略を模索する必要があります。韓米FTA交渉の経験を活かし、韓国が求める事項を強く訴えることが求められています。

トランプ氏のパリ訪問と、彼の通商政策の動向は、国際政治と経済の両面で波紋を広げる可能性があります。ノートルダム大聖堂の再開式典という華やかな舞台の裏には、複雑な国際関係の網が広がっているのです。トランプ氏がどのようにこの舞台を使いこなし、国際社会におけるアメリカの立ち位置を再構築するのか、その手腕が試される時が来ています。

[中村 翔平]