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2024年12月04日 18時20分

日本被団協、ノーベル平和賞受賞で核廃絶への一歩前進!

被爆者の声が響き渡る:日本被団協がノーベル平和賞を受賞

広島の原爆がもたらした悲劇から79年が経った今、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は、核兵器廃絶に向けた長年の努力が実を結び、ノーベル平和賞を受賞しました。12月10日、ノルウェーのオスロで授賞式が行われ、被団協の代表理事である金本弘さんが参加予定です。彼は、亡くなった先人たちの写真を携え、彼らと共にこの名誉を受け取りたいと語っています。

核なき未来への希望を背に

被団協は1956年に結成され、核兵器の恐怖を実体験として知る被爆者たちが、その恐ろしさを世界に伝えるために活動してきました。金本さん自身も生後9ヶ月で広島で被爆し、その後の人生を通じて核兵器廃絶の声を上げ続けてきました。今や80歳となり、彼の証言は一世代を超えて新たな世代に受け継がれています。

ノーベル委員会は、「核兵器が二度と使用されてはならないことを証言を通じて示してきた」ことを授賞理由に挙げました。金本さんや他の被爆者たちが語る証言は、単なる過去の記憶だけではなく、未来へ向けた強いメッセージを含んでいます。彼らの声が、世界中の人々に核兵器の非人道性を考えさせ、核なき未来の実現に向けた行動を促す力を持つことが証明されたと言えるでしょう。

「知られたくない、でも知ってもらいたい」苦悩の中で

被爆者たちの証言には、計り知れない苦しみが伴います。金本さんは「私たちは『知られたくない』『でも知ってもらいたい』と悩みながら、苦しみながら証言してきた」と語ります。被爆体験を語ることは、時に心の傷を再び開くようなものです。しかし、その痛みを超えて、彼らは核兵器の恐ろしさを世界に伝えるために立ち上がりました。

大村義則さんの父は長崎で被爆しましたが、戦後50年経つまでそのことを口にしなかったと言います。彼の「においが戻ってくる」という表現からも、被爆体験が心にどれほど深く刻まれているかが伺えます。こうした個々の証言が、今やノーベル平和賞という形で国際的に認められたことは、被爆者たちの長年の努力に対する大きな報いです。

若い世代への継承と新たなステージへ

今回の受賞は終わりではなく、新たなスタートでもあります。被団協は、今回の受賞を機に被爆者の運動をさらに広げ、若い世代にそのバトンを渡したいと考えています。核兵器禁止条約への日本の参加を求める運動や、世界中の若者たちが被爆者の声を聞き、行動に移すことを期待しています。

金本さんは授賞式の後、現地の大学生たちに被爆体験を伝える予定です。彼の証言を聞いた学生たちが、どのようにこの貴重な経験を受け止め、未来に活かしていくのかは未知数ですが、その可能性は無限大です。

被団協の活動は、核兵器廃絶を目指す動きの中で、まるで灯台のように道を照らし続けています。ノーベル平和賞という光が、彼らの努力をさらに輝かせ、世界中の人々が核兵器のない平和な未来を目指して行動するきっかけとなることを願ってやみません。

[中村 翔平]

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