国際
2024年12月05日 21時20分

韓国戒厳令騒動、尹錫悦大統領の「政治ショー」が国際社会に波紋!

韓国の戒厳令騒動、45年ぶりの「政治ショー」が巻き起こす波紋

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が12月3日の深夜に宣言した「非常戒厳令」は、わずか6時間後には解除され、まるで一夜限りの劇場のように終焉を迎えました。この事態はまさに「驚天動地」と言うにふさわしく、韓国国内はもちろんのこと、国際社会においても大きな波紋を呼びました。

戒厳令の発令は、韓国にとって実に45年ぶりの出来事。前回は1979年、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領の暗殺を受けてのものでした。韓国の歴史において、戒厳令は政治的危機の象徴であり、今回の発令もまた国家の安定に関する重大な危機感を国民に与えました。

国民に走った衝撃と戸惑い、そして混乱

この突然の戒厳令宣言に、多くの韓国国民が驚愕し、SNS上では「尹錫悦は正気なのか?」といった声が飛び交いました。普段は中道的な立場を取る筆者の夫でさえ、今回の尹大統領の行動には怒りを隠せなかったほどです。韓国の市民にとって、戒厳令は遠い過去の出来事であり、まさか現代に再び訪れるとは信じられないというのが正直なところでした。

戒厳令発令の理由として尹大統領が述べたのは、「革新野党による国政の妨害」とのこと。しかし、実際には尹政権の支持率が低迷し、批判が強まっている中での強行策と見る向きも多く、国民の間での不信感は深まるばかりです。

戒厳令の影響とフェイクニュース

戒厳令が発令されると、軍部は特殊部隊をソウル市内に配置し、一時的に物々しい雰囲気が漂いました。筆者自身も、兵役に就く息子の動向に不安を覚えましたが、戒厳令解除後すぐに安心のメールが届き、一安心というところでした。しかし、ネット上では「戒厳令が長期化すれば兵役期間が延長される」というフェイクニュースが飛び交い、一時的な混乱が生じました。

与党内部の分裂と尹政権への批判

このように、尹大統領の孤立は深まるばかり。戒厳令の発令も、尹氏の独断によるものとされ、与党内外からの支持を失いつつある状況です。野党はこの機を逃さず、弾劾訴追案を国会に提出し、尹氏退陣を求める声が高まっています。

台湾や日本への影響も無視できない

韓国のこの政変は、東アジア全体にも影響を及ぼしています。台湾では、韓国の戒厳令騒動が自国の政治に波及するのではないかという懸念が広がり、台湾国防省が「民主主義を守る」と公に誓う事態にまで発展しました。台湾は過去に長期の戒厳令を経験しており、韓国の事例を他人事とはできない背景があります。

もし尹大統領が弾劾され、左派政権が誕生するとなれば、日本との関係にも影響が及ぶ可能性があります。尹政権は日本との協力関係を築いてきましたが、新政権が対日強硬姿勢を取れば、日韓関係は再び冷え込む可能性があります。これにより、経済や安全保障の面でも日韓の協力体制が揺らぐことが懸念されます。

このように、韓国の戒厳令騒動は一夜限りの出来事に思えますが、その余波は長く、深く、日韓関係や東アジア全体に影響を及ぼし続けることでしょう。尹大統領がこの先どのような舵を取るのか、そしてその決断が韓国や周辺国にどのような影響を及ぼすのか、目が離せません。

[佐藤 健一]

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