国際
2024年12月05日 21時31分

韓国政治大揺れ!尹錫悦大統領の弾劾訴追案と市民の声

韓国政治の嵐:尹錫悦大統領の弾劾訴追案が迫る

ソウルの空気は、まるで季節外れの嵐のように張り詰めている。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が非常戒厳を宣言したことを巡り、政治の中心である国会は揺れに揺れている。尹大統領の弾劾訴追案が迫る中、韓国政治は新たな局面を迎えている。

尹錫悦氏が戒厳令を発令したことに対する反発は、野党「共に民主党」を中心に強まり、国会に弾劾訴追案が提出された。この動きは、韓国の政治地図に大きな影響を与える可能性がある。弾劾訴追案が可決されるには国会の在籍議員300人のうち3分の2以上の賛成が必要であり、与党「国民の力」から8人以上の造反が鍵となる。

「ろうそく集会」の再来

ソウルの街角では「ろうそく集会」が再び開催され、多くの市民が参加している。この集会は、かつて朴槿恵(パク・クネ)元大統領を罷免に追い込んだ力を持つ象徴的な抗議活動だ。今回の集会でも、「非常戒厳に涙が出るほど腹が立ってここに来た」という市民の声が、集会の熱気を一層高めている。

ろうそく集会は、韓国の市民運動の一つの象徴として、政府に対する強いメッセージを発信し続けている。これは単なる抗議活動を超え、市民の声が政治に直接影響を及ぼす力強い手段となっている。現在、集会はソウルだけでなく、釜山や他の地域でも行われ、非常戒厳に対する反発が全国的に広がっている。

与党「国民の力」の苦悩

与党「国民の力」は、党内の結束を試されている。党の幹部である韓東勲(ハン・ドンフン)代表は、「混乱による国民と支持者への被害を防ぐため、可決に至らないよう努力する」と述べ、党内の反対方針を明確にした。しかし、党内でも尹氏への批判が高まっており、現状のままでは予断を許さない。

若手議員たちは記者会見を開き、「大統領は国民から権威と信頼を失った」と訴え、尹氏の謝罪と責任者の処罰を求める声を上げている。このような内部の不協和音は、弾劾訴追案の採決における造反の可能性を示唆している。

戒厳令の余波

尹大統領が発令した非常戒厳は、韓国国内で大きな波紋を呼んでいる。戒厳令の発令は、国家の安全保障に関わる重大な問題であり、違憲であるとの批判が根強い。国防相の金龍顕(キム・ヨンヒョン)氏の引責辞任や、陸軍出身の崔秉赫(チェ・ビョンヒョク)駐サウジアラビア大使の後任指名など、尹政権内でも緊張が高まっている。

さらに、警察は野党による刑事告発を受けて、内乱容疑で金氏の捜査に着手した。この動きは、尹政権にとって新たなリスクを生み出しており、国民の不安を一層深めている。検察が金氏の出国禁止措置を取ったことも、問題の深刻さを物語っている。

韓国政治の未来は?

[田中 誠]

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