国際
2024年12月08日 11時50分

シリア反体制派がダマスカスに進撃、アサド政権崩壊の危機!

シリア反体制派の進撃、アサド政権崩壊の瀬戸際に

シリア情勢が大きく動いている。反体制派が首都ダマスカスに到達し、アサド政権の崩壊が間近に迫っているとの報道が相次いでいる。背景には、長引くシリア内戦の中で、反体制派が近年稀に見る勢いを見せているという現実がある。

反体制派の進撃、ダマスカスへ

反体制派の進撃は、11月27日に始まった。彼らは10日余りで北部と中部の要衝を次々に制圧し、ついに首都ダマスカスを目前に控える状況となった。アレッポ、ハマ、ホムスといった主要都市の掌握は、反体制派にとって大きな勝利であり、アサド政権にとっては致命的な打撃だ。

ホムスの掌握は、アサド政権にとって特に痛手だった。ホムスはシリアの心臓部と言える位置にあり、首都ダマスカスへと繋がる重要なルートを押さえる要地だ。この都市の失陥は、政権側の防衛線に大きな穴を開けることになった。

反体制派の勢いは止まらず、ダマスカス郊外に到達した。これは単に地理的な進展を意味するだけでなく、心理的な圧力としてもアサド政権を追い詰めている。ダマスカスの住民からは、既に市内で戦闘が始まっているとの報告があり、反体制派による首都攻略の決断が迫っている。

アサド政権の崩壊は現実味を帯びる

アサド政権の行方について、米国をはじめとする国際社会は、崩壊が現実味を帯びてきたとの見方を強めている。CNNの報道によれば、アサド大統領の所在は不明であり、政権内部でも動揺が広がっているようだ。ある米国当局者は、「次の週末までにアサド政権は権力をすっかり失っているかもしれない」との見解を示している。

しかし、政権崩壊のシナリオが全てではない。アサド政権にとって、唯一の救いとなる可能性があるのは整然としたクーデターと再編だが、これを実現できる代替勢力は既に政権が抑え込んでいるという。つまり、希望は薄い。

ここで鍵を握るのが、シリアを支援するロシアやイランの動向だ。これまでアサド政権を支えてきた両国がどのような行動をとるかは、今後のシリア情勢に大きな影響を与えるだろう。特にロシアは、シリアにとって長年の後ろ盾であり、その動向は見逃せない。

ダマスカスの行方と未来への挑戦

ダマスカスの未来は、シリア内戦の行方を象徴するものとなる。反体制派がこのまま勢いを保ち、首都を完全に掌握することができれば、シリアの新たな時代が幕を開けることになるだろう。それは、同時に混乱の始まりでもある。

シリアの未来を予測することは容易ではない。反体制派が政権を打倒したとしても、その後の権力闘争や復興への道のりは険しいものとなるだろう。過去の例を見ても、独裁政権の後にはしばしば不安定な時代が訪れる。イラクやリビアがその典型だ。

国際社会としては、シリアの安定に向けた支援が求められる。特に、紛争の長期化によって人道危機が深刻化している今、シリア国民の生活の支援が急務だ。シリア内戦の影響は国境を越え、中東全体の安定にも寄与することになるだろう。

シリアの未来を描くにあたって、我々は過去の教訓から学び、持続可能な平和への道筋を模索し続ける必要がある。反体制派の進撃は一つの終わりであると同時に、新たな始まりでもある。この終わりなき物語の行方は、今まさに我々の目の前で展開されている。

[高橋 悠真]

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