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2024年12月10日 17時00分

『オズの魔法使い』の赤い靴、42億円で新主人の元へ!ハリウッドの宝石再び注目の的に

映画『オズの魔法使い』の赤い靴、ハリウッドの宝石として42億円で新しい主人の元へ

映画『オズの魔法使い』でジュディ・ガーランドが履いた「ルビーの靴」がこのほど競売で約42億円という驚愕の値段で落札された。1939年の名作映画で、ドロシーの旅を象徴する小道具だったこの靴は、映画ファンやコレクターにとってはまさに「オズの魔法の国」からの贈り物そのものだ。この高額落札は、映画記念品が持つ文化的な価値とその魅力を改めて証明するものとなった。

このルビーの靴は、ミネソタ州グランドラピッズにあるジュディ・ガーランド博物館で展示されていたが、2005年に盗難に遭い、その後20年以上も行方不明となっていた。映画の中でドロシーが「家に帰りたい」と願ったように、靴もまたその存在を求められ続けた。そしてついに、2018年に米連邦捜査局(FBI)の手によってその姿を取り戻すことができたのだ。

ハンマーと泥棒、そしてFBI捜査のドラマ

この靴が盗まれた際の手口は大胆そのものだった。泥棒は博物館のドアとショーケースのガラスをハンマーで破壊し、貴重な靴を持ち去った。まるで映画の一場面のようだが、これは現実の事件だった。FBIの捜査によって、靴を盗んだ犯人は地元の住民であるジョン・マーティン氏であることが判明。彼は、靴が本物のルビーで覆われていると誤解して犯行に及んだという。彼の誤解がもたらした事件は、思わぬ形で靴の神秘性を高める結果となった。

映画記念品の価値とその未来

今回の競売で、ジュディ・ガーランドの赤い靴は映画関連の品としては過去最高の落札額を記録した。ヘリテージ・オークションズのエグゼクティブバイスプレジデント、ジョー・マッダレナ氏は「この結果は、映画や映画の記念品が我々の文化や収集家にとっていかに重要であるかを反映している」と述べている。確かに映画『オズの魔法使い』は、時代を超えて愛され続けるカルト的な古典として、その存在感を増し続けている。

映画記念品の市場は、今後も成長を続けると予想される。特に、デジタル時代においては、物理的な記念品が逆に希少価値を持つようになってきている。映画そのものがデジタルで消費される中、こうしたオリジナルの小道具や衣装は、映画の世界を具体的に感じることのできる貴重なリンクとして機能する。

また、近年の映画記念品市場の活性化には、有名なコレクターや映画関係者の関与も大きな要因となっている。スティーブン・スピルバーグ氏やレオナルド・ディカプリオ氏が過去に同じ赤い靴の別の一足を購入し、アカデミー映画博物館に寄贈したことも、この現象を後押ししている。彼らのような著名人が映画記念品を収集し、展示することで、その価値はさらに高まっているのだ。

映画『オズの魔法使い』のルビーの靴は、映画の中でドロシーを家に帰すための重要な役割を果たした。しかし現実の世界では、この靴自体が様々な物語を生み出し続けている。ハリウッドの宝石とも言えるこの靴が、今後どんな新たな物語を紡いでいくのか、映画ファンやコレクターたちの興味は尽きないだろう。映画の魔法は終わらない。ルビーの靴が語る物語は、これからも続いていく。

[松本 亮太]

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