Nulbarich、ラストアルバム『CLOSE A CHAPTER』で活動休止前にファンに別れを告げる
Nulbarich、活動休止前のラストアルバム『CLOSE A CHAPTER』でファンに別れを告げる
日本の音楽シーンにおいて、Nulbarichは独自のスタイルで多くのファンを魅了してきました。そして今、彼らは一旦その幕を閉じる瞬間を迎えています。2024年内で活動休止を発表した彼らは、ラストアルバム『CLOSE A CHAPTER』を12月11日にリリースし、その一部である「Lights Out feat. Jeremy Quartus」のミュージックビデオを公開しました。
このアルバムは、まるで長年の友人との別れのパーティーのように、バンドメンバーとファンとの絆を再確認する場となっています。ミュージックビデオは、12月5日に行われた日本武道館でのラストライブの後に上映され、バンドのアイデンティティを象徴する瞬間となりました。監督は中澤太が務め、JQをはじめとする13人のメンバーが一堂に会し、セッションを楽しむ姿を捉えています。
音楽と共に歩んだ8年、そして新たな旅立ち
Nulbarichの活動はこの8年間、多くの人々の心を揺さぶってきました。彼らの音楽は、ジャズ、ファンク、ポップを自在に行き来し、まるで音楽の旅を続ける探検家のようでした。このアルバム『CLOSE A CHAPTER』はその探検の集大成とも言える作品です。
収録曲は「Liberation」以降のシングルや新曲を含む全12曲。特に「Lights Out feat. Jeremy Quartus」は、バンドの多彩な音楽性と彼らの友情を感じさせる一曲で、リスナーに対しても心に残るメッセージを伝えているでしょう。この曲でフィーチャリングされているJeremy Quartusの存在は、Nulbarichの新たな可能性を示唆しているのかもしれません。
アルバムは通常盤と完全受注生産セットの2形態でリリースされ、後者にはオリジナルデザインのポータブルカセットプレイヤーと、武道館公演のライブ音源が収録されたカセットテープが同梱されています。このセットは、レコードやカセットが再び人気を博している現代において、ファンにとっては特別な一品となることでしょう。
デジタル時代における音楽の楽しみ方
リリースを記念して、Apple MusicとSpotifyでは、アルバムをライブラリに追加することでオリジナルスマホ壁紙を手に入れるキャンペーンが実施されています。これは、音楽がデジタル化された現代における新しい音楽体験の一環であり、ファンにとっては音楽を聴くだけでなく、その世界観を身近に感じることができる嬉しい特典です。
さらに、音声アプリStationheadではリスニングパーティが開催され、メンバーのJQやヤマザキタケル(key)、Ryan Octaviano(Writer)が参加する予定です。これにより、ファンはリアルタイムでメンバーと交流し、音楽に対する深い理解を得ることができるでしょう。
今や音楽は単なる聴覚の体験を超え、視覚やコミュニケーションを通じて多次元的に楽しむものとなっています。Nulbarichのこのリリースも、まさにその流れに沿ったものと言えるでしょう。
未来への期待と音楽業界の変遷
Nulbarichの活動休止は、ファンにとっては寂しいニュースですが、同時に音楽業界の変遷を感じさせます。昨今の音楽業界は、ストリーミングサービスの普及により、アーティストとファンの距離が縮まる一方で、新たな挑戦を迫られています。音楽のデジタル化は、アーティストにとってもリスナーにとっても新たな可能性を開く一方で、アナログの温かさを求める声も増えているのです。
Nulbarichの活動休止は、彼らが新たなステージに進むための一歩と捉えることもできます。音楽を通じて築かれた彼らの絆や信頼は、今後の活動においても大きな力となるでしょう。そして、ファンたちはこれからも彼らの音楽を心に留め、新たな作品が生まれる日を静かに待つことでしょう。
このように、Nulbarichの旅は一つの章を閉じますが、音楽の世界では常に新たな冒険が始まります。その未来は、彼らが音楽を通じて表現した希望と楽しさに満ちたものであると信じています。
[鈴木 美咲]