看護師ボクサー津端ありさ、プロデビュー戦で鮮烈なスタート!Xで話題に
看護師ボクサー津端ありさ、プロデビュー戦で鮮烈なスタートを切る
ボクシングのリングと病院の診療室という異なる世界を行き来する津端ありさが、プロボクサーとしての第一歩を踏み出しました。彼女のデビュー戦は、東京・後楽園ホールで行われた女子スーパーライト級の4回戦。相手は若干17歳ながらデビュー2連勝中のポンカモン・トーンプアク。津端は、鋭いワンツーを武器に3-0のフルマーク判定勝利を収め、その名を刻みました。
津端のボクシングキャリアは、ダイエット目的で始めたことから始まりました。しかし、彼女のリングでの才能はすぐに開花し、19年の全日本女子選手権で優勝を果たすまでに。その後、東京五輪出場を目指しましたが、コロナ禍による最終予選の中止で、五輪の夢は叶いませんでした。それでも、五輪の開会式に象徴的な存在として抜擢され、白いスポーツウェアに身を包みながらランニングマシンを走る姿は、多くの人々の心に残りました。
リングの外でも続く戦い
津端は、プロボクサーとしての挑戦を決断するまでの道のりで、一度は引退を考えたと語ります。しかし、ボクシングへの情熱を捨てきれず、環境を変えてプロの道を選びました。現在も非常勤の看護師として勤務し、ボクシングと医療現場という二足のわらじを履き続けています。「ボクシングを本気でやっているので正社員としては難しいんですが、これからも看護師としては携わっていきたい」と語るその姿勢は、まさに現代のスーパーヒーローのようです。
津端のトレーナーを務めるのは、元日本ミドル級王者の大和田正春。彼は、「大きい舞台を何度も経験されている方」として津端を導き、試合中も的確なアドバイスを送り続けました。彼女は、「やるからには大和田トレーナーと一緒に世界を目指したい」と語り、女子スーパーライト級の開拓者としての意欲を示しています。
女子ボクシングの未来を切り開く
女子中量級の選手層が薄い日本において、津端は第一人者としての使命感を感じています。スーパーライト級は、これまで日本チャンピオンが設定されたこともなく、彼女が新しい道を切り拓くことになるでしょう。「女子には中量級もあるよ」と、後に続く後輩たちへの道標となることを願っています。
津端の目指す未来は、単なる勝利の積み重ねではありません。彼女の目標は、リングの中での成功だけでなく、看護師としての役割を果たしながら、女子ボクシング界に新たな風を吹き込むことです。彼女のプロデビュー戦での勝利は、その第一歩に過ぎませんが、確実に新しい歴史の幕開けを告げるものでした。
現役看護師でありながら、プロボクサーとしての道を進む津端ありさ。彼女の挑戦は、ボクシング界における新たな可能性を示すとともに、医療現場で働く多くの人々にも勇気を与えることでしょう。津端の未来に待ち受ける戦いは、リングの中だけではなく、人生そのものの中にあるかもしれません。それでも、彼女はその挑戦を楽しみながら、次のステージへと進んでいくことでしょう。
[山本 菜々子]