韓国政治の嵐:尹錫悦大統領の「非常戒厳」が招く国会の緊張!
韓国政治の嵐:尹錫悦大統領と「非常戒厳」に揺れる国会
韓国の政治舞台は、まるで嵐の中の木の葉のように揺れ動いている。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣言したことをきっかけに、国会では弾劾訴追案が提出され、政治的緊張が高まっている。尹大統領の辞任を求める市民の抗議デモが続く中、与党「国民の力」内でも意見が分かれ始めており、韓国の政治情勢は今まさに転換点を迎えている。
尹大統領は12月12日に国民向けの談話を発表し、「非常戒厳」を出したのは国家の機能を正常化するための正当な措置だったと主張した。彼は、「巨大野党の議会独裁に対抗し、大韓民国の自由民主主義と憲政秩序を守ろうとしたのです」と述べ、弾劾や捜査に対しても堂々と立ち向かう姿勢を示した。しかし、この強気な姿勢が国民の心を動かすかどうかは不透明だ。
与党内の亀裂と世論の圧力
与党「国民の力」は、尹大統領の弾劾を否決する方針を維持しているが、党内ではすでに7人の議員が弾劾に賛成する意向を表明している。これにより、弾劾訴追案が可決される可能性が現実味を帯びてきた。韓国ギャラップの調査によると、尹大統領の支持率は11%と過去最低を記録し、不支持率は85%に達している。さらに、弾劾賛成の世論は75%に上っているという。このような状況下で、与党内の亀裂はさらに深まることが予想される。
与党内では、弾劾に賛成した議員が殺害脅迫を受けるという事態も発生している。新人議員の金相旭(キム・サンウク)は、弾劾訴追案に賛成した後、殺害脅迫を受けたと明かしている。彼は「殺害の脅迫も多く、のけ者扱いもひどい」と語り、党内外からの圧力が激しさを増している状況を伝えた。
尹政権の未来と韓国政治の行方
尹政権の未来は、まさに風前の灯火だ。大統領の辞任を求める声が高まる中、彼の弾劾が現実となれば、憲法裁判所での審判が待ち受けている。しかし、韓国政治は世論の影響を受けやすく、憲法裁判所もまた世論に配慮せざるを得ない状況だという。フジテレビ解説委員の風間晋氏は、「韓国の政治って、つまるところ世論次第というところがあって、やはり世論がとても大きいんです」と指摘する。このため、尹大統領は世論に向けて「私の利益のためには一切やっていない」とアピールする必要があるだろう。
[伊藤 彩花]