吉高由里子が魅せる!大河ドラマ『光る君へ』最終回で描かれる紫式部の旅路
大河ドラマ『光る君へ』の終幕:吉高由里子が描く紫式部の旅路
日本のエンターテインメント界において、歴史ドラマは時代を超えて人々の心をつかんできました。その中でもNHK大河ドラマは、深い歴史的背景と現代的な解釈を融合させた作品として、毎年多くの視聴者に愛されています。今年、2023年の大河ドラマ『光る君へ』がいよいよ最終回を迎えます。このドラマは、かの有名な紫式部の生涯を描いたもので、吉高由里子がその主人公を演じました。
紫式部と藤原道長:歴史を超えたソウルメイトとしての描写
『光る君へ』は、紫式部と藤原道長の関係を中心に展開されます。歴史的には、彼らの関係が具体的にどのようなものであったかは明確ではありませんが、ドラマでは彼らを「ソウルメイト」として描いています。吉高由里子は、藤原道長を演じた柄本佑との共演を振り返り、「佑君が道長でよかった」と、演技の中で感じた深い感謝と敬意を述べています。道長の役における柄本の演技は、時に情けなく、時に恐ろしいという多面的なキャラクターを見事に表現したもので、感情の豊かさと人間味が視聴者に強く印象づけられました。
紫式部という歴史的人物は、何よりもその美しい文字で知られています。吉高は、左利きを右に直して書道に挑んだことを「孤独な作業」と述べていますが、その孤独の中で得たものは計り知れません。彼女は「書の練習がうまくいった時は、いいお芝居ができた時よりもうれしかった」と話し、役作りに対する真摯な姿勢を見せています。
周明との再会と別れ:運命のいたずら
ドラマの後半では、吉高演じるまひろが松下洸平演じる周明と大宰府で再会する場面が登場します。二人の再会は視聴者にとっても感動的な一幕でしたが、まひろの目の前で周明が命を落とすという衝撃的な展開が用意されています。吉高は、「あのまま松下洸平がフェイドアウトするわけがないと思っていた」と、予想していたことを明かしています。周明の死は、まひろにとっても視聴者にとっても深い影響を与えました。人生の意味について考えさせられる機会となり、「生きていることは哀しいことばかりよ」という言葉が胸に残る名シーンとなりました。
吉高は、周明とまひろの関係について「どこか自分と似ている部分もあるんじゃないか」と語り、似た者同士が惹かれ合う様子を描写しています。このような複雑な人間関係を描くことで、ドラマは単なる歴史再現にとどまらず、現代にも通じる普遍的なテーマを提示しました。
吉高由里子:女優としての成長と新たな挑戦
吉高由里子は、『光る君へ』を通じてさらなる成長を遂げました。1年半にわたる撮影期間中、彼女は紫式部の内面を深く掘り下げ、視聴者を魅了しました。クランクアップ後には、茶髪にイメチェンした吉高が、黒髪での役作りからの解放感を味わったことが報じられました。「黒髪の反動で明るくしたい」と、役柄からの脱却を図る姿勢は、彼女のプロフェッショナルな部分を垣間見せます。
また、吉高は松下洸平との再共演についても感慨深く語っています。TBS系ドラマ『最愛』以来の共演となり、「フィクションって面白いな」と、異なる役柄での共演が新たな刺激となったことを明かしています。彼女の言葉からは、女優業への情熱と、さまざまな役に挑戦することで得られる喜びが伝わってきます。
『光る君へ』は、単なる歴史ドラマの枠を超えて、視聴者に深い感動と考えるきっかけを提供しました。吉高由里子をはじめとするキャスト陣の熱演によって、紫式部の人生が生き生きと描かれ、視聴者の心に深く刻まれました。これからも、吉高由里子という女優がどのような新たな役に挑み、どのような物語を紡ぐのか、期待せずにはいられません。
[佐藤 健一]