経済
2024年12月15日 06時11分

新NISA時代の資産運用:暴落に負けない長期的視点の重要性

新NISA時代の資産運用:暴落時の心構えと長期的視点

積立投資の心構え:冷静さを保つことの重要性

株式会社400Fが実施した「オカネコ 市場急変に伴う個人投資家の意識調査」によれば、2024年8月5日の市場急変にもかかわらず、投資家の約71.9%が新たな売買を行わずに静観する姿勢を見せました。冷静に情報収集を行い、運用額を増やした投資家も25.1%に上ります。このデータは、多くの投資家が短期的な市場の変動にあまり動じず、長期的な視野で資産形成を考えていることを示しています。一時的な市場の下落にあまり影響を受けず、長期的な視野を持つことが、資産運用の成功にとって重要であることを再確認するデータです。

新NISAの制度は、年間投資上限額が成長投資枠で240万円、つみたて投資枠で120万円と設定されています。これにより、投資家は成長投資枠とつみたて投資枠を併用しながら、より柔軟に資産形成を行うことができます。つみたて投資枠を利用する場合、毎月一定額を積み立てることで、価格の高いときには少なく、低いときには多く購入することが可能となり、購入単価を平準化できるのが特徴です。

時間とお金の賢い使い方:投資と人生戦略

資産運用だけでなく、時間管理も重要です。スコット・ギャロウェイの『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』は、優れた時間管理が優れた資産運用に寄与するという視点を提供しています。ギャロウェイは、時間を「徹底的に」優先順位づけし、自分が最も価値を感じる活動に集中することが重要だと説いています。これは、投資においても同様で、どの投資が自分にとって最も重要であるかを見極め、そこにリソースを集中させることが肝要であることを思い起こさせます。

50歳からの新NISA:毎月5万円の積立投資シミュレーション

50歳から新NISAを利用して毎月5万円の積立投資を行った場合、15年後にどのような資産形成が可能になるのでしょうか。想定利回り1~5%でシミュレーションを行うと、リターンの大きさが異なることが明らかになります。例えば、利回りが1%の場合と5%の場合では、最終的な資産額に大きな差が生じます。これは、複利効果が長期間の投資においてどれほど重要であるかを示しています。

超低金利が続く日本において、銀行預金だけでは資産が増えにくく、資産運用が重要な選択肢となります。新NISAを活用することで、老後資金の形成を目指すことができます。特に、50歳前後からの資産形成には戦略的な積立投資が求められます。新NISAの年間投資上限を最大限に活用し、長期的な視点で資産を育てていくことが重要です。

新NISAは、異なる投資スタイルに対応できるように設計されています。つみたて投資枠は、長期の積立・分散投資に適した投資信託を対象としており、成長投資枠は上場株式や投資信託を対象としています。これにより、個人の投資スタイルや目的に応じた柔軟な運用が可能となり、資産形成がより効率的に行えるようになりました。

新NISAの導入により、投資初心者から経験者まで、幅広い層が資産形成を進める機会を得ました。市場の変動に一喜一憂することなく、長期的な視点で資産をどのように育てるかを考えることが、成功への鍵となるでしょう。この新しい制度を活用し、一歩先を見据えた資産運用を目指していきましょう。

[伊藤 彩花]

タグ
#新NISA
#積立投資
#資産運用