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2024年12月15日 11時31分

EXILE TAKAHIROが語る18年の音楽旅: 試練と成長の軌跡

EXILE TAKAHIROの試練と成長――歌との向き合い方

EXILEのフロントマンとして知られるTAKAHIROが、歌の道を歩き始めてから18年が経過した。彼の音楽人生は、まるで厳しい山を登るような試練と、その先に見える景色の美しさを感じさせるものだった。最近のインタビューで、彼は「歌うことの苦しみと楽しさ」について、その深い思いを語った。彼の言葉は、プロのアーティストとしての覚悟と、人生そのものに対する哲学を垣間見せる。

2006年、現れた新星としてEXILEに加入したTAKAHIRO。加入直後、彼は自身の限界を痛感することになった。カラオケでの楽しみとは程遠い、アップテンポのR&Bに挑む中で、自分の苦手な分野にどっぷりと浸からざるを得なかったのだ。ATSUSHIがスムーズにレコーディングを終えた一方で、TAKAHIROは丸2日間ほぼ寝ずに歌い続けたという。この経験は、喉から血を流しながらも「人生って深いな」と感じるほどのものだった。

TAKAHIROはその過程を「100本ノック」に例えた。彼は、合宿所に自らを閉じ込め、逃げも隠れもできない状態で自分を鍛えた。それは、まさに自己を超える挑戦だった。彼の性格上、ぬるま湯のような環境では成長しなかっただろうと振り返る。そして、苦しみを乗り越えた先にこそ楽しさがあると気づくこととなる。

音楽における「フィクション」としての歌

EXILEでの活動のみならず、ソロとしても多くの楽曲を手掛けてきたTAKAHIRO。彼は「歌というフィクションを一生懸命伝えたい」と考えている。音楽は直接生活に必要なものではないかもしれないが、心を癒し、元気を与える力を持つ。そのため、歌詞を書く際には嘘をつかず、自分の気持ちをそのまま表現することを大切にしている。

今回のクリスマスライブで披露される「Winter Song」は、彼自身の思いを込めた作品だ。ウォームな質感ながらも、忙殺される日々や痛みを感じさせるこの楽曲は、2~3年前にデモが提供されてから温め続けてきたものだ。TAKAHIROは、日本のクリスマスの儚さに人生の共通点を見出し、そこにインスピレーションを得ている。

自己との対話――模索し続ける日々

TAKAHIROの音楽活動は、常に自己との対話を伴うものだ。彼は、発声障害のような症状に直面し、大スランプに陥ったこともある。しかし、「どうせ自分なんて」と思ってしまうことなく、前向きに抜け出す方法を模索し続けた。その結果、症状は改善し、彼は新たなステージへと進むことができた。

このような経験を通じ、彼は「歌は自分の中での問題」であるとした。周囲の評価に左右されず、自分の心の声に寄り添うことが大切だと考えるようになったのだ。家族を持ったことで、彼の視点はさらに広がり、自己評価も自然と上がっていった。

音楽の旅――終わりのない探求

音楽の世界での探求は終わりがない。TAKAHIROは、自分が100%納得のいく歌を歌えている実感はないとしながらも、その過程こそが面白いと語る。彼は、EXILEのファンとしてカラオケで歌っていた頃の楽しさを懐かしむが、今ではプロとしての責任と期待を背負いながら歌い続けている。

彼が例えるように、プロの釣り師が生活をかけて釣りをするのと同様に、音楽の道もまた厳しい。しかし、その厳しさがあるからこそ、歌い続けることの価値があるのだ。TAKAHIROの音楽は、これからも多くの人々の心に響き続けることだろう。彼の探求の旅はまだまだ続く。

[中村 翔平]

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