WILLER EXPRESSの高速バス予約動向に変化!年末年始の旅計画が早まる理由とは?
年末年始の高速バス予約動向と鉄道業界の変革: 旅の風景が変わる理由とは?
年末年始の旅路を考える際、WILLER EXPRESSの高速バス予約動向が興味深いトレンドを示している。2024年12月20日から2025年1月6日までの期間における予約状況は、前年に比べて約2%の減少を見せたが、予約のタイミングは早まっている。特に、12月28日に乗車のピークが予想されていることから、旅の計画が早まる傾向があるようだ。
背景には、推し活と呼ばれるライブやイベントへの参加がある。東京ドームや京セラドーム大阪といった大規模会場でのイベントが予定されており、これが予約の早期化を後押ししている。イベントの開催日程が早期に確定し、チケットの当落発表も早まったことが、バスの予約を促進しているのだ。まるで、好きなアーティストのライブに行くために、ファンが列を作るかのように、バスの予約も同様に熱心に進められている。
さらに、WILLER EXPRESSのデータによると、24歳以上の社会人の利用が前年より10%増加しているという。この伸びは、宿泊料金の高騰が影響していると考えられ、ホテル代わりに夜行バスを選ぶ人が増えていることが分かる。アンケートによれば、宿泊料金が高くなったと感じる利用者のうち62.9%が夜行バスを選んでいるという。この現象は、特に経済的であることが求められる若者や社会人にとって、夜行バスが新たな選択肢として浮上していることを示している。
一方、鉄道業界では、2024年の北陸新幹線の延伸が大きな話題となった。3月16日に敦賀駅まで延伸されたことで、北陸3県すべてが新幹線の通る県となった。これにより、東京~福井・敦賀間の所要時間が大幅に短縮され、特に首都圏からのアクセスが飛躍的に向上した。しかし、関西圏・中京圏から福井・金沢方面へは敦賀駅での乗り換えが必須となり、利便性は低下してしまった。
この新幹線延伸は、夜行バスの需要にも影響を与える可能性がある。新幹線の利便性が向上する一方で、夜行バスは料金の面で優位性を保ち、特に宿泊費を節約したい旅行者にとって魅力的な選択肢として残るだろう。夜行バスは、経済的な移動手段としての地位を確立しており、特に宿泊料金の高騰が続く限り、その需要は続くと予想される。
また、2024年には鉄道業界で多くの変革があった。新型車両の投入や路線の延伸・廃止など、さまざまな動きが見られた。北陸新幹線の延伸を始め、新型車両E8系のデビューやJR西日本の273系の営業運転開始など、鉄道の利便性や快適性が向上する一方で、根室本線の富良野~新得間の廃止やスカイレールの終焉など、地域密着型の路線が姿を消す寂しさもある。
このように、旅の選択肢は多様化している。夜行バスの予約が早まり、社会人の利用が増加している一方で、新幹線の利便性も向上している。この変化は、宿泊施設の料金動向やイベントの開催スケジュール、そして鉄道の構造的な変化に影響を受けている。旅行者にとって、目的地への最適なルートを選ぶためには、一層の情報収集と計画が求められる時代となっている。移動手段の選択は、まるでパズルのように、さまざまな要素を組み合わせて最適解を見つける作業となりつつある。
[高橋 悠真]