韓国政治の激震!尹錫悦大統領の弾劾可決で新たな局面へ
韓国の政治の激動:弾劾がもたらした新たな局面
韓国の政治の舞台は再び激動の渦に飲み込まれています。12月14日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する弾劾訴追案が韓国国会で可決され、韓国の政治は新たな局面に突入しました。これに伴い、韓国ウォンは対ドルで一時0.5%上昇し、株式市場もその影響を受けて動きを見せています。尹大統領の弾劾は、韓国の政治史においては3人目の大統領弾劾となり、国中に激震をもたらしています。
弾劾の背景とその決定的要因
尹大統領への弾劾訴追案可決の背景には、彼が12月3日に発表した「非常戒厳令」がありました。この発表は、野党の「共に民主党」や市民団体による執拗な抗議活動を抑え込むことを目的としていましたが、逆に国民の反発を招く結果となりました。尹大統領は、戒厳令の目的を「野党の反国家的行為を止めるため」と説明しましたが、多くの国民はこの談話を疑問視しました。
野党の攻勢は確かに強烈で、尹大統領就任後から178回もの退陣・弾劾デモが行われ、2025年度の予算案も野党主導で大幅に減額されました。しかし、尹大統領自身の失策もまた、彼の立場を弱める要因となりました。支持率を上げるために極右的な政策に傾倒した結果、中道保守の支持を失ったことが、彼の政治的基盤を揺るがしました。
李在明代表の台頭とその影響
李代表が大統領に就任した場合、日韓関係は厳しくなることが予想されます。彼は尹大統領の「偏った外交」を批判し、日本中心の外交政策に対して厳しい姿勢を見せています。徴用工問題や佐渡金山のユネスコ世界遺産認定についても再検討する可能性があり、日韓関係は緊張した状態が続くかもしれません。
経済的影響と市場の反応
政治的な不透明感が解消されつつある中、韓国ウォンは対ドルで一時0.5%上昇しました。これは、弾劾可決によって市場が最悪期を脱したと判断したためです。韓国の株式市場も、尹大統領の非常戒厳令による下落をある程度取り戻しつつあります。今後、憲法裁判所の判断によっては、さらなる市場の変動が予想されます。
韓国銀行は金融市場の安定に注力する考えを表明し、市場のボラティリティーが低下するとの見通しを示しています。しかし、政治の不透明感が完全に解消されるまでは、投資家の慎重な姿勢が続くでしょう。
韓国の政界の今後
弾劾訴追により、韓国の政界は今後さらに動揺することが予想されます。李在明代表以外にも、金富謙氏や金東兗京畿道知事などが次期大統領候補として名を連ねる中、与党「国民の力」は指導者の辞意表明により混乱状態にあります。弾劾によって生じた政治的空白を埋めるための新たなリーダーシップが求められています。
[伊藤 彩花]