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2024年12月17日 06時20分

日立製作所の未来を描く徳永俊昭氏、CEO就任へ

日立の次世代を担う男、徳永俊昭氏のビジョンと挑戦

日立製作所は、2025年4月1日付けで徳永俊昭氏を代表執行役 執行役社長兼 CEOに任命することを発表しました。この人事は、日立が進めるデジタル変革の中心に位置する徳永氏のリーダーシップを認めたものであり、同社が掲げる「One Hitachi」のビジョンを実現するための重要なステップとなります。

徳永氏は、日立の創業地である茨城県日立市出身。日立製作所に1990年に入社し、金融システムのエンジニアとしてキャリアをスタートしました。その後、情報通信分野を中心に要職を歴任し、2017年には日立アプライアンスの社長としてコンシューマー製品事業の改革に取り組みました。このような豊富な経験を背景に、徳永氏は新たな中期経営計画の策定と実行において中心的な役割を果たしています。

デジタルが描く未来:One Hitachiへの道

日立は現在、2024年度を最終とする「2024中期経営計画」の終盤を迎えています。この計画では、デジタルを中心にした成長戦略が描かれており、その実現に向けて日立は着実に業績を伸ばしてきました。徳永氏のリーダーシップの下、日立はデジタルを共通基盤として「One Hitachi」を実現し、社会イノベーション事業のグローバルリーダーを目指しています。

徳永氏は、日立の強みを最大限に活用し、デジタル技術を駆使して新しい価値を創造することを目指しています。その中核となるのが「Lumada」です。Lumadaは、日立が推進する社会イノベーション事業を支えるプラットフォームであり、グローバル市場においてもその存在感を増しています。徳永氏は、GlobalLogicの買収を通じてLumadaのグローバル展開を加速させ、日立の売上に占める同プラットフォームの割合を中長期的に過半にすることを目指しています。

デジタルの申し子が切り拓く新たな地平

徳永氏は、自らを「デジタルの申し子」として、デジタル技術を駆使して日立の持続的な成長を実現することに意欲的です。彼のビジョンは、単にデジタル化を進めるだけでなく、それを通じて社会に新たな価値を提供することにあります。徳永氏は、「日立グループの28万人の社員とともに、社会に新たな価値を届け、企業としての持続的な成長を実現したい」と述べています。

また、徳永氏は日立の存在意義についても強い思いを抱いています。彼は、「変化の激しい時代だからこそ、創業者である小平浪平から、110年以上に渡って受け継いできた日立の存在意義である『技術による社会への貢献』という言葉は、ますます重みを増している」と語り、デジタルを駆使してその意義を体現することに全力を傾けています。

未来を見据えた経営戦略と挑戦

日立の新たな中期経営計画では、デジタルシステム&サービス、グリーンエナジー&モビリティ、コネクティブインダストリーズの3つのセクターがそれぞれ独立した収益源となり、日立ならではの価値を提供し続けることを目指しています。徳永氏は、このビジョンを実現するためにはデジタルによる価値創造が鍵になるとし、「どこにデジタルの事業機会があるのかを理解することができている」と自信を見せています。

このように、徳永氏の指導のもとで日立は次なるステージへと進化を続けます。デジタル技術を基盤とした事業の拡大は、日立が「One Hitachi」としての存在感を世界に示し続けるための重要な鍵となるでしょう。徳永氏のリーダーシップがどのように日立を新たな高みに導くのか。期待とともに、その行方を見守りたいところです。

[中村 翔平]

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