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2024年12月18日 06時40分

西山朋佳女流三冠、新たな歴史を刻む挑戦

将棋界の新たな歴史を刻むか: 西山朋佳女流三冠の挑戦

将棋の世界で、西山朋佳女流三冠が新たな歴史を刻むかもしれない。彼女は現在、女性初のプロ棋士を目指して棋士編入試験に挑んでいる。2024年12月17日、大阪府高槻市の関西将棋会館で行われた第4局で、宮嶋健太四段に勝利し、成績を2勝2敗のタイに持ち込んだ。西山女流三冠は、来年1月に予定されている第5局に勝てば、女性初のプロ棋士という快挙を成し遂げることになる。

彼女の戦いぶりは、将棋ファンの心を揺さぶるものであり、彼女の強靭な意志と技術が光っている。特に、三間飛車を採用した第4局では、攻めの姿勢を貫き、難解な中盤戦を見事に克服し、勝利を手にした。これは、将棋の技術だけでなく、彼女の精神力の強さをも示している。

女性初のプロ棋士への道のり

将棋界における女性棋士の誕生は、これまでにない大きな一歩となるだろう。日本将棋連盟が提供する棋士編入試験は、アマチュアや女流棋士にプロへの道を開く制度であり、これまでに今泉健司五段らがこの試験に合格している。しかし、女性で初めて挑戦した福間香奈清麗は、2022年に0勝3敗で不合格だった。

西山女流三冠は、奨励会三段リーグに在籍していたが、2021年に退会し、女流棋士としての道を歩んできた。彼女の挑戦は、彼女自身のためだけでなく、後に続く女性棋士たちのための道を切り開く大きな意義を持つ。もし彼女が成功すれば、将棋界での女性の存在感がさらに高まり、将棋という伝統的な世界に新たな風を吹き込むことになるだろう。

試験を超えたプレッシャー、そしてユーモア

西山女流三冠は、試験のプレッシャーを超えて戦っている。彼女の戦いぶりには、剛腕さく裂の快勝という言葉がぴったりだ。しかし、その一方で、試合後のハプニングが彼女の別の一面を垣間見せることとなった。感想戦後、彼女は上位者である宮嶋四段が駒を片付ける役割だということを忘れ、思わず駒を片付けようとしてしまった。この「かわいいミス」に対して、彼女は耳まで真っ赤にして謝罪し、その姿はファンの心をつかんだ。

このようなエピソードは、西山女流三冠がただの「将棋の強者」ではなく、「人間らしさ」を持った魅力的な人物であることを示している。彼女の素顔が垣間見えるこの瞬間は、ファンにとって彼女をさらに応援したくなる要素となっている。

次なる挑戦に向けて

西山女流三冠は次の試合に向けて、「悔いのないように挑みたい」と意気込んでいる。彼女の挑戦は、単なる勝敗を超えた意味を持ち、将棋界全体に影響を与える可能性がある。彼女が女性初のプロ棋士となることで、多くの女性が将棋を始めるきっかけとなり、将棋界の未来を明るく照らすだろう。

[鈴木 美咲]

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