福大大濠、ウインターカップで再び日本一を目指す旅路
福大大濠、ウインターカップで再び栄冠を目指す旅路
福岡大学附属大濠高校バスケットボール部が、今年もウインターカップで日本一を目指す。その背中には、U18日清食品トップリーグでの初優勝という輝かしい実績がある。だが、彼らの旅路は決して平坦ではなかった。過去2年間、全国優勝の座から遠ざかっており、悔しさと挑戦が交錯する中で、いかにして彼らは再び頂点を狙うのか。その鍵を握るのが、エース髙田将吾とキャプテン湧川裕斗だ。
福大大濠のスタートは好調だった。今年のU18日清食品トップリーグでは、強豪7チームに6勝を挙げ、圧倒的な力を見せつけた。しかし、地元で開催されたインターハイでは、ベスト4に終わり、その悔しさが今も彼らを突き動かしている。特に、髙田と湧川の3年生コンビは、最後の高校バスケの舞台で必ず日本一を勝ち取るという揺るぎない意志を持っている。
髙田将吾、エースの矜持
190センチのスモールフォワード、髙田将吾は、福大大濠の得点源として欠かせない存在だ。彼は背番号14というエースナンバーを背負い、得点力でチームを牽引することを使命としている。得意技は中距離からのジャンプショットであり、その正確無比なシュートは相手チームにとって脅威だ。
髙田の成長は目を見張るものがある。今年、彼はU18日本代表として「FIBA U18 アジアカップ 2024」に出場。さらに、アジア・オセアニア地域から選ばれた30名のみが参加できる「Basketball Without Borders(BWB)Asia」にも名を連ねた。オーストラリアでのキャンプでは、国際的なプレーヤーたちと交流し、フィジカルなプレースタイルに新たなインスピレーションを得た。「どの国の選手もドライブが力強かった」と語るように、髙田自身もそのスタイルを取り入れ、さらなる進化を遂げている。
湧川裕斗、キャプテンシーの成長
一方で、湧川裕斗はキャプテンとしてチームをまとめ上げる役割を担っている。彼は、広島出身であり、兄の湧川颯斗の影響を受けながらも、自分自身の名前で呼ばれるよう努力してきた。彼の成長は、シューターとしての技術だけでなく、ポイントガードとしてのゲームメイク力にも及んでいる。湧川は、時折コーチからの叱責を受けることもあるが、それらを糧に成長し続けている。
湧川のリーダーシップは、チームの結束力を高める要因となっている。彼は、「周りのメンバーがサポートしてくれるおかげで、自分自身も成長できている」と語り、プレッシャーよりもワクワクする気持ちでウインターカップに臨んでいる。
結束の力を信じて
福大大濠の強さの秘密は、個々の才能だけでなく、チーム全体の結束力にある。今年のチームスローガン「Give…Grid、Influence、Victory、Euphoria」を掲げ、全員が一つの目標に向かって団結している。その証拠に、3年生の髙田、湧川、そして見竹怜が中心となり、意見を出し合い、互いを尊重する文化が根付いている。
特に、ウインターカップに向けては、過去の悔しさをバネにし、チーム全員が一致団結して「必ず日本一になる」という強い意志を持っている。髙田は、「この3年間、悔しい思いをしてきたので、ウインターカップでは最高の結果で終わりたい」と意気込む。
ライバルとの対決、そして未来へ
ウインターカップで彼らがリベンジを果たしたい相手として挙げるのは、インターハイで敗れた美濃加茂高校だ。髙田と湧川は、彼らとの再戦を心待ちにしており、「必ず勝ちたい」と強調する。
これから福大大濠がどのような道を歩んでいくのか、その行方は彼らの努力と挑戦に委ねられている。観客席に多くのファンを迎え、彼らの応援が力となることは間違いない。髙田将吾と湧川裕斗のリーダーシップ、そしてチーム全体の結束力が、ウインターカップでどのような結果をもたらすのか、目が離せない。
[田中 誠]