アンドルー王子に再びスキャンダル!中国スパイ疑惑で英中関係悪化か
英王室のスキャンダル:アンドルー王子と中国スパイ疑惑の影
12月の冷たい風が吹く中、イギリスの王室はまたしてもスキャンダルの嵐に巻き込まれています。アンドルー王子が、中国のスパイとされる実業家、ヤン・テンボ氏との親密な関係を築いていたとの疑惑が浮上しました。このニュースは、かつての性的暴行疑惑で王室の公務を退いた王子にとって、さらなる試練となっています。
ヤン氏は2002年に留学のため英国を訪れ、その後、英国でコンサルティング会社を設立し、エリート層に浸透してきました。彼の活動は、単なるビジネス上の成功にとどまらず、アンドルー王子の誕生日パーティーに招待されるまでになりました。しかし、ここで問題となるのは、ヤン氏が中国共産党の「中央統一戦線工作部」との関係を持っていた可能性があるということです。この部門は、影響力を行使するために外国の有力者に接近することを目的としており、今回のケースもその一環と見られています。
英国安全保障における不安
英国の安全保障機関は、ヤン氏の活動が「英国の安全保障を脅かす恐れがある」として、彼を国外追放する決定を下しました。この決定に対し、ヤン氏は不服を申し立てましたが、特別移民不服審査委員会は追放の判断を支持しました。ヤン氏の持つスマートフォンや電子機器からは、アンドルー王子の顧問であるドミニク・ハンプシャー氏からの手紙が見つかり、「あなたは多くの人がなりたがっているツリーのてっぺんに位置している」と述べられていました。これは、スパイ活動の疑惑をさらに強めるものでした。
この事件は、英国が中国、ロシア、イランを含む多くの国家からの安全保障上の脅威に直面していることを浮き彫りにしています。ダン・ジャービス安全保障担当閣外相は、英国政府の対応は世界のどこよりも強固であると強調し、米国の外国ロビイスト規制をモデルにした外国影響力登録制度の導入を進めています。しかし、これに対しては、スターマー政権が中国との関係改善を目指しているため、制度が棚上げされているとの批判もあります。
「エリート捕獲」作戦の狙い
ヤン氏が関与していたとされる「エリート捕獲」作戦は、中国が西側諸国に影響力を行使するための戦略の一部です。この作戦は、英国の政界やビジネス界、さらには王室の内部にまで触手を伸ばしています。ヤン氏は、起業家と裕福な投資家との取引を取り持つアンドルー王子のベンチャー「Pitch@Palace China」の創設メンバーであり、彼の活動が中国からの投資を呼び込むための一環であったと見られています。
このような背景を考慮すると、ヤン氏の行動が単なるビジネスの一環ではなく、より大きな政治的意図を持っていた可能性が浮かび上がります。彼は、自らの立場を利用して、英国のエリート層に中国の影響力を浸透させようとしていたのかもしれません。
アンドルー王子の立場と王室への影響
アンドルー王子にとって、このスキャンダルは過去の性的暴行疑惑に続く新たな打撃です。王室の公務を退いて以来、彼の存在は、英国王室にとって厄介な問題となっています。今回のスキャンダルもまた、彼の立場をさらに悪化させる結果となりそうです。
このような状況下で、チャールズ国王がどのように対応するのか、王室内部の動向が注視されています。アンドルー王子をどのように処遇するかが、王室の信頼回復にとって重要な鍵となるでしょう。
冷え込む英中関係
今回の事件は、英中関係にも冷水を浴びせる結果となりました。スターマー首相は、習近平国家主席と会談し、両国間の協力関係を強化する意向を示していましたが、今回のスパイ疑惑によってその努力が水泡に帰す可能性があります。中国外務省はこの疑惑を「ばかげている」と否定しており、両国間の緊張はさらに高まることが予想されます。
[高橋 悠真]