石破首相、トランプ次期大統領との初会談を模索:日米関係の新たな一歩
石破首相、トランプ次期大統領との初会談を模索:日米関係の新たな章を開く試み
トランプ氏の就任前に会うことの意義は、バイデン政権下で強化された日米関係を、トランプ次期政権においても継続することを内外に示すことにある。トランプ氏が2016年に大統領選に勝利した際、いち早く安倍晋三元首相と会談し、二人の間にはゴルフ外交を通じて良好な関係が築かれたのは記憶に新しい。今回の会談も、その関係性を再構築する重要な機会となるだろう。
安倍昭恵さんとの面会が会談への道を開く
この早期会談の調整が進んだ背景には、安倍昭恵さんとトランプ氏の面会がある。昭恵さんとトランプ氏はフロリダ州の自宅で面会し、そこでトランプ氏は石破首相に対する関心を示した。さらに、この面会を通じてトランプ氏から石破首相に贈られた書籍が、両国の関係を象徴する贈り物となった。まさに、書籍一冊が外交の橋渡しをすることもあるのだ。
林官房長官は、この面会を通じて、トランプ氏が石破首相との会談に前向きな姿勢を示したことを明らかにしている。トランプ氏の大統領就任式前の会談の可能性についても、記者会見で言及された。これにより、石破首相が訪米を決断する背景には、昭恵さんの外交的な役割が一役買ったことが伺える。
国内の政治日程への影響と与党内の懸念
石破首相の訪米計画は、国内の政治日程にも影響を及ぼしている。政府・与党は通常国会を1月24日に召集する調整を進めているが、石破首相の訪米計画により、日程が柔軟に調整される可能性が高い。もともとは1月21日に召集を予定していたが、会談の日程を優先するために調整が行われている。
この日程の変更は、予算案の年度内成立を目指す国会の日程を圧迫する可能性がある。自民、公明両党は衆院で過半数を持っておらず、野党の協力がなければ予算案を成立させることができないため、日程の遅れを懸念する声が与党内にはある。しかし、石破首相としては、日米関係の新たな一歩を踏み出すための重要な会談を優先する意向が強い。
また、来年は東京都議選の後に参院選が予定されており、公明党からは都議選と参院選の日程を離すべきだという声も上がっている。このように、訪米による日程調整は、国内政治にも複雑な影響を与えている。
[高橋 悠真]