トッテナム、シュクリニアル獲得で守備補強を狙う
トッテナムの守備補強計画が持つ希望と課題
29歳のシュクリニアルは、インテルでの活躍を経て2023年夏にPSGに加入しましたが、現在のところリーグ戦での出場は限られています。エンリケ監督の下でなかなか信頼を勝ち得ていないようで、出場機会を求める彼にとってトッテナム移籍は魅力的な選択肢と言えるでしょう。
シュクリニアルの存在感とその影響
シュクリニアルのキャリアを振り返ると、彼はインテル時代にセリエA屈指のセンターバックとしての地位を築きました。インテルでの公式戦246試合出場という数字が彼の安定したパフォーマンスを物語っています。彼の強みはフィジカルの強さと空中戦での強さであり、トッテナムの守備陣に欠けている要素を補完するには理想的です。
トッテナムは現在、守備陣の要である選手たちが怪我で戦線を離脱しており、チーム全体のパフォーマンスが不安定になっています。この状況を考慮すると、シュクリニアルのような経験豊富な選手の加入は、チームの安定化に寄与する可能性が高いです。
しかし、彼の獲得には高額な年俸がネックとなっており、トッテナムの財政状況がこれを許容できるかは不透明です。過去にサウジアラビアからの巨額オファーを断ったシュクリニアルの意向も踏まえると、ヨーロッパのトップリーグでのプレイを望んでいることから、彼自身の希望とクラブの条件が一致するかが移籍の鍵となります。
PSGのエンリケ体制に潜む問題
一方、PSGではエンリケ監督の采配に対する批判が高まっています。補強策が思うように機能していないことが主な原因であり、シュクリニアルもその被害者の一人と言えるでしょう。PSGは国内リーグでは安定した成績を収めているものの、チャンピオンズリーグでのパフォーマンスは芳しくなく、特に戦術面での柔軟性が問われています。
シュクリニアルの出場機会が限られている背景には、エンリケ監督の戦術的な選択があり、その結果チーム内の一部選手から不満の声が上がっています。エンリケ監督は戦術の多様性を試みていますが、その選択が必ずしもチーム全体のパフォーマンス向上につながっているとは言えず、その結果選手間の不和が生じているのかもしれません。
移籍市場での競争激化とシュクリニアルの行方
シュクリニアルにはトッテナム以外にも複数のクラブが関心を示しています。特にイタリアのナポリは、彼の獲得に強い意欲を見せており、かつての指導者であるアントニオ・コンテ監督との再会も期待されています。ナポリはセリエAで首位を走る中、守備の強化を図るための補強としてシュクリニアルをリストアップしています。
シュクリニアルの移籍話は、彼自身のキャリアを再構築するための重要な転機となるでしょう。彼がどのクラブを選ぶかによって、今後のサッカーシーンでの彼の活躍が大きく変わる可能性があります。一方、彼を巡るクラブ間の争奪戦は、サッカーファンにとっても見逃せないドラマを提供してくれることでしょう。
[高橋 悠真]