スポーツ
2024年12月21日 07時33分

福岡大学附属大濠の渡邉伶音が描くウインターカップへの挑戦

福岡大学附属大濠の新星、渡邉伶音の挑戦と覚悟

渡邉が大濠に入学を決めたのは、中学1年生の時にウインターカップで大濠の試合を観戦し、その魅力に心を奪われたからだ。試合での選手たちのアグレッシブなプレーや、個人技とチームワークが絶妙に融合した姿に憧れを抱き、「ここでプレーしたい」と強く思ったという。

成長の軌跡と挫折

渡邉選手の高校生活は決して順風満帆ではなかった。特に新チームが始まったばかりの頃、インサイドのプレーでミスが続き、厳しい指摘を受けた経験がある。しかし、その挫折が彼を一層強くした。「川島悠翔選手が抜けたからインサイドが手薄だと思われたくない」との言葉が心に残り、インサイドでの力を磨くことに励んだ。

また、U18日清食品トップリーグや日本代表の活動を通じて、国内外での試合経験を積み、身体の使い方をさらに理解するようになった。特に、特別指定選手としてライジングゼファー福岡に参加したことは、彼にとって大きな転機であった。外国籍選手との対戦でフィジカルやスキルの違いを痛感しつつも、それが彼の成長を促した。

ウインターカップへの決意

渡邉選手にとって、今年のウインターカップは高校生活最後の大舞台だ。去年のウインターカップでは準優勝という結果に終わり、決勝での悔しさを晴らすため、今年こそは優勝を狙っている。インターハイでは準決勝で美濃加茂に敗れたが、その敗北を糧に、オフェンスとディフェンスの両面でさらなる成長を誓っている。

福岡大学附属大濠のバスケットボール部は、過去3年間「日本一」のタイトルから遠ざかっているが、渡邉選手はその状況を打破するべく、チームを自ら引っ張る覚悟を持っている。彼は「伶音に渡せば大丈夫」とチームメイトに思わせるような存在になるため、プレーだけでなく、練習でもリーダーシップを発揮することを目指している。

日本代表としての誇りと責任

渡邉選手は、FIBAアジアカップ2025予選の日本代表メンバーにも選出され、国際舞台での経験も豊富だ。国内トップクラスの206センチという身長に加え、3ポイントシュートやドライブなど多彩なプレースタイルを持つ彼は、代表チームでもその存在感を発揮している。

「走り、ディフェンス、ドライブといったプラスアルファの動きを身につけて、中でも外でも点が取れて、力強くプレーできるようなオールラウンダーになりたい」と語る彼の姿勢は、自らの可能性を広げるための努力を続けることを意味している。

未来への展望

福岡大学附属大濠の未来を担う渡邉選手の成長は、チームだけでなく日本バスケットボール界全体にとっても明るい希望だ。彼の存在は、高校バスケの枠を超えて、プロの舞台へと繋がる可能性を秘めている。

ウインターカップでの彼の活躍がどのような結果をもたらすかはまだわからない。しかし、渡邉選手の挑戦は、彼自身の成長だけでなく、チーム全体の士気を高める力も持っている。彼が目指す「日本一」の景色は、彼の努力と信念によって、少しずつ現実味を帯びているのかもしれない。渡邉伶音という名前が、これからも日本バスケットボール界に響き渡ることを期待したい。

[山本 菜々子]

タグ
#ウインターカップ
#バスケットボール
#日本代表