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2024年12月21日 23時10分

ラグビーリーグワン開幕戦:埼玉が東京SGに快勝、波乱のスタート

ラグビーリーグワン開幕戦:埼玉が東京SGに快勝、波乱の幕開け

不運の連鎖に見舞われた東京SG

東京SGにとって、この試合はまさに試練の連続でした。ラグビー界でその名を知られる南アフリカ代表WTBチェスリン・コルビが、試合開始早々の前半23分に肩を痛めて負傷退場。彼の存在は東京SGの攻撃力において極めて重要であり、その損失は計り知れません。さらに、SO高本の脳振とうによる一時退場や、前半に2人の選手がシンビン(10分間の一時退場)を受けるなど、想定外の事態が続出しました。

試合後、フッカー堀越康介主将は「僕たちの強みが封じられた」と悔しさをにじませました。新ヘッドコーチの小野晃征も「開幕戦というプレッシャーの中で思うようにプレーできなかった」と語り、チームの課題を痛感したようです。

埼玉の揺るぎないディフェンスと攻撃力

一方、埼玉は試合を通して安定したプレーを見せました。序盤から東京SGに押し込まれる場面もありましたが、堅牢なディフェンスで得点を許さず、逆にテンポの良いパス回しで先制点を奪いました。特に、日本代表WTB長田智希の活躍は目を見張るもので、彼の2度のトライがチームに勢いを与えました。

埼玉の守備は昨季リーグ最少失点を誇るだけあり、相手にプレッシャーをかけ続けました。攻撃面でも、後半に再びリードを広げる余裕を見せ、試合を盤石に進めました。昨季途中に負傷したプロップ稲垣が約11カ月ぶりに復帰し、彼の存在感も大きかったと言えるでしょう。

東京SGの再起への期待と課題

この試合を受けて、東京SGはどのように立て直すかが今後の焦点となります。鍵となるのは、コルビの状態と松島幸太朗の復帰時期です。小野ヘッドコーチは「ベストなメンバーを毎週選びたい」と述べ、選手たちのコンディションを重視する姿勢を示しました。

さらに、今後の試合に向けては、経験豊富な選手たちの力をどのように引き出すかがポイントです。試合途中で投入されたSH流とFWケインのように、ベテランの知恵と技がチームを導く役割を果たすことが期待されます。彼らの存在が若手選手たちに与える影響も無視できません。

今後のリーグワンへの期待

リーグワンは、世界最高峰の選手たちが集う場として、日本のラグビー界に新たな風を吹き込んでいます。開幕戦から波乱含みの展開となりましたが、それがこのリーグの魅力でもあります。ファンはこれからの試合に期待を寄せ、選手たちの奮闘を見守ることでしょう。

試合は1つの物語であり、選手たちはその主人公です。これからの試合でも、多くのドラマが生まれるに違いありません。ラグビーの魅力は、勝敗だけではなく、その背後にある選手たちの努力やチームの絆にあると言えるのではないでしょうか。これからの展開が楽しみです。

[山本 菜々子]

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