経済
2024年12月22日 17時20分

トランプ復活と2025年の世界経済:不確実性の中の挑戦

トランプ復活と2025年の世界経済:不確実性の中での航海

トランプ氏はすでに主要な経済閣僚の選出を終え、就任式に向けて準備を進めています。しかし、彼の政策がもたらす影響は、一筋縄では予測できません。第1期目と同様、彼の発言や政策が頻繁に変わる可能性が高く、市場はその動向を注視しています。特に、一般教書演説や予算教書の提出によって、少しずつその政策の枠組みが見えてくることでしょうが、インフレ再燃や景気回復への期待が交錯する中で、市場の反応は予断を許しません。

欧州の不安定な政局と経済への影響

一方、欧州でも政治的混乱が広がっています。フランスでは内閣不信任案が可決され、バルニエ首相が退陣。政治的安定を欠いたままの政権運営が続く見込みです。財政赤字の拡大は、再び欧州債務危機を招く懸念もあり、ドイツでも連立政権が行き詰まっており、経済の先行きに暗雲が立ち込めています。

このような状況下で、パナマ運河を巡るトランプ氏の強硬な発言も、国際的な緊張を高める要因となっています。彼は、米国の軍艦や商船に課される通航料が「法外」であるとし、引き下げを要求しました。もし応じなければ、運河を再び米国に返還すべきだと主張しています。歴史的に見ても、パナマ運河は米国とパナマの協力の象徴であり、トランプ氏のこの発言は、国際関係に新たな波紋を広げています。

日本の春闘と政局の行方

日本では、石破茂首相が経済成長を賃上げと投資によって牽引する方針を掲げています。春闘における賃上げの成否は、今年の経済を左右する重要な要素です。連合は全体で「5%以上」、中小企業の労働組合は「6%以上」の賃上げを求めており、石破首相も経済界に対してこれを強く要請しています。しかし、これが実現するかどうかは、経済界の協力と国際的な経済情勢に大きく依存しています。

米国の設備投資とトランプ氏の政策の影響

米国では、トランプ次期大統領の経済政策の不透明さが、設備投資の急増を抑制しています。全米製造業者協会の調査によれば、来年の設備投資はわずか1.6%の伸びにとどまる見通しです。トランプ氏の関税政策や減税措置の継続が不透明であることが、企業の投資判断を慎重にしています。

トランプ氏は関税を交渉戦術として用いる意向を示しており、これがインフレ圧力を引き起こす可能性があると懸念されています。FRBのパウエル議長も、このような不透明な通商政策が消費者物価にどのように影響するかを予測するのは難しいと述べています。

[高橋 悠真]

タグ
#トランプ
#不確実性
#世界経済