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2024年12月23日 16時01分

「クリスマスキャロルの頃には」32年越しの新展開:MVとリミックスで再燃

「クリスマスキャロルの頃には」の再誕生:32年越しのミュージックビデオとグローバルリミックス

1992年にリリースされた稲垣潤一の「クリスマスキャロルの頃には」は、30年以上経った今もなお、多くの人々に愛されるクリスマスソングの名曲だ。そんな楽曲が、時代を超えて新たな展開を迎えている。32年の時を経て初めて制作されたミュージックビデオ(MV)と、グローバルリミックスコンテストで優勝したトラックの配信リリースが話題を呼んでいる。

32年越しのMV制作、「令和のトレンディドラマ」風に

「クリスマスキャロルの頃には」の初のMVは、映画の予告編を思わせるようなドラマチックな展開で、令和のトレンディドラマのような作風に仕上げられている。監督を務めた小嶋貴之は、ヒロイン役の鳴海唯とその相手役の結城貴史に台本を用意し、実際に台詞を交えた演技を求めた。その結果、音楽ビデオでありながら、登場人物たちの繊細な感情が伝わってくる作品となっている。

稲垣潤一自身もこのMVについて、「映画の予告編を思わせるような展開に音そっちのけで映像を追っていた」とコメントしている。32年も前の曲が、現代の視覚的なトレンドと融合することで、新たな命を吹き込まれたかのようだ。

グローバルリミックスコンテストで新たな息吹を

さらに、この名曲を新たな形でリバイバルさせるために開催されたグローバルリミックスコンテストでは、メキシコ在住のプロデューサー、ロコ・ヴェレスが優勝した。彼のリミックスは、原曲のボーカルを活かしつつ、ファンクやハウスの要素を取り入れたクラブサウンドに仕上がっている。時を超えたメロディと現代のビートが融合することで、リスナーに新たな感動をもたらしている。

このリミックスコンペは、過去の名曲と現代のトレンドを「拡散」し、世界に発信するプロジェクト「COCKTAIL SOUNDS」の一環として行われた。このプロジェクトは、今後も名曲のリバイバルを通じて、新たな音楽体験を提供していくことが期待される。

世代を超えて愛される「クリスマスキャロルの頃には」

「クリスマスキャロルの頃には」は、多くのクリスマスソングが華やかで温かいイメージを持つ中、幸せな時期に別れを考える恋人たちの複雑な感情を描いた異色の作品だ。この独特の世界観が、30年以上経った今でも人々の心を掴み続けている。

リミックスを手掛けたロコ・ヴェレスも、この楽曲の持つ力に心を奪われたと言う。彼は「ボーカルの素晴らしさを活かしたリミックスにしようと心掛けた」と述べており、結果として、時空を超えた化学反応が生まれた。

新たなクリスマスの楽しみ方を提供

今回のMVとリミックスのリリースは、クリスマスの名曲に新たな視点を提供している。鳴海唯が語ったように、このMVが「皆さんのクリスマスがより彩り豊かになれば嬉しい」という思いが込められている。

32年という長い時間を経て、なおも新しい風を吹き込まれ続ける「クリスマスキャロルの頃には」。時代を超えて愛される楽曲の持つ力を、改めて感じさせてくれる出来事である。クリスマスの季節に、この名曲を通じて多くの人々が新たな体験をすることだろう。まるで、冬の夜に突然訪れる雪のように、心をふわっと包み込むような瞬間を与えてくれるに違いない。

[山本 菜々子]

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