稗田聖也、ボートレース界での成長と挑戦の軌跡
稗田聖也の成長の軌跡
稗田は、ボートレース界でここ数年着実に力を伸ばしてきた選手の一人だ。彼の成長の背後には、絶え間ない努力と反省を生かす姿勢がある。今回の福岡ボートでも、前回のレースでの「差し回り」の失敗を反省し、同じシチュエーションで「まくり」を選択したことが功を奏した。「インがすごく落としたんで、今度は迷わず握った」という稗田の言葉には、自信と冷静な判断力がうかがえる。
刺激を受けたSGグランプリシリーズとA級復帰への道
稗田が刺激を受けたのは、同期の前田将太がSGグランプリシリーズで初優勝を果たしたことだ。102期生が6人も出場し、話題をさらった大会での活躍は、稗田にとっても大きなモチベーションとなっている。彼は、「今年の最後なんで地元で頑張りたい」と意気込む。この意欲が、彼の現在の勝率5.86という数字に表れており、A級復帰への確かなステップとなっている。
下関ボートでの再挑戦
稗田はその後、下関ボートのミッドナイトレースに挑戦し、予選を7位で突破して準優勝戦へと進んだ。今回手にした72号機の2連対率は25%と心もとないが、初日の1枠走りでの勝利や3コースからのトップスタートは、彼の戦術の柔軟さと機力調整の確かさを証明している。
「前半は展開が良かったですね。ただ、伸びに関してはいいエンジンの人には伸びられていますし、そこは差を感じますね」としつつも、「出足に関してはいいと思っています」と稗田は自信を持つ。彼の目標は、10月児島以来、今年7度目の優出。機力をさらに上向かせるための調整が、今後の鍵となるだろう。
ボートレース界の未来を彩る選手たち
稗田だけでなく、福岡ボートでは魚谷香織がファン選抜で快勝し、話題を集めている。彼女の勝利は、混合戦での初日メイン1号艇シードという大抜てきに応えたものだ。稗田と同じく、他の選手たちもそれぞれの場所で力を発揮し、ボートレース界を盛り上げている。
魚谷を筆頭に、安河内将や岡村慶太といった選手たちも予選首位争いを繰り広げる。岡祐臣はエース24号機のパワーを背に、シリーズリーダーの有力候補として名乗りを上げている。
今後も稗田をはじめとする選手たちの活躍が、ボートレースファンの目を釘付けにすることは間違いない。彼らの成長と挑戦の物語は、ボートレース界に新たな風を吹き込み続けるだろう。日々変わりゆく水面の上で、彼らの熱い戦いは終わることを知らない。
[佐藤 健一]