クラウドナイン、J-POPを世界へ!千木良氏の新たな挑戦
クラウドナイン、音楽業界に新たな風を吹き込む
千木良氏は、美容業界から音楽業界へとキャリアチェンジを果たし、GReeeeNのマネージャーとしての経験を経て、2019年にクラウドナインを設立。音楽業界における彼の出発点は、さいたまスーパーアリーナでのGReeeeNのライブだった。そこでの感動が、彼を音楽の道へと駆り立て、「自分の事務所のアーティストでさいたまスーパーアリーナに行きたい」という願望を抱かせたという。
ネットネイティブと新たな音楽シーンの創造
クラウドナインの特性のひとつに、ネットネイティブなアーティストの多さがある。AdoやボカロP、イラストレーターといったインターネット文化に親和性のあるクリエイターが数多く所属していることは、同事務所のカラーを際立たせている。千木良氏は、得意なことを得意な人がやるというスタンスを重視しており、アーティストには自由なクリエイティブ活動を奨励している。
Adoは、プライベートを含めて小さい頃からインターネットに親しんできたため、SNSの運用も自ら行っている。一方で、SNSをやったことがない平手友梨奈には、事務所のスタッフがサポートを提供している。このような柔軟なマネジメントが、クラウドナインの成長を支えている。
J-POPのグローバル化への挑戦
千木良氏は、日本の音楽を世界に広めることに強い使命感を持っている。Adoのワールドツアーを通じて、日本の音楽シーンをグローバルに確立しようという意識が強まっていると言う。彼は、日本のアーティストが世界で通用するためには、3、4年以内に勝負をかける必要があると感じている。今、海外で認識されているアジアの音楽はK-POPが中心であり、他のアジア諸国の音楽市場も急成長を遂げている。このままでは、J-POPがアジアポップの中のニッチな存在になってしまう可能性があるという危機感があるのだ。
アニメを足がかりにした日本の音楽の海外進出は一つの方法ではあるが、千木良氏は、アニメ頼みではなく、音楽そのものの力で勝負をかけたいと考えている。Adoのワールドツアーは、その一環としてJ-POPの魅力を広く伝えるための試みでもある。
新たな挑戦に満ちた2024年
2024年は、クラウドナインにとって大きな挑戦の年であった。Adoは国立競技場でのライブの成功を皮切りに、国内外での精力的な活動を展開。自身の楽曲「初夏」を初披露するなど、新たなフェーズに突入した。また、ファントムシータのプロデュースを手がけるなど、ジャンルを超えた試みも行われた。
一方で、平手友梨奈の加入は大きな話題を呼んだ。彼女の才能やクリエイティブへの姿勢に対して、千木良氏は深い信頼を寄せている。彼女のデビュー曲「bleeding love」については、予想外の反響があったものの、そこで得た経験を基に新たな方向性を模索しているという。
これからのクラウドナインは、どのような展開を見せていくのだろうか。音楽業界の新たな風として、J-POPの未来を切り開くべく挑戦を続ける彼らの動向から目が離せない。
[鈴木 美咲]