経済
2024年11月26日 10時30分

マイクロストラテジー、54億ドルのビットコイン購入で市場を揺るがす!

マイクロストラテジーの大胆なビットコイン投資と市場の反応

米国のソフトウェア企業、マイクロストラテジーがビットコインへの大規模投資を継続している。2024年11月25日、同社は54億ドル相当のビットコインを追加購入したと発表した。これは、ビットコイン5万5500BTCに相当する。この動きは、マイクロストラテジーが2020年にビットコイン購入を開始して以来、企業として最大の保有規模を誇る背景を持つ。同社は現在、世界のビットコインの約1.7%を所有しており、バーンスタインの予測によれば、今後10年間でこの比率が4%に上昇する可能性があるとされている。

マイクロストラテジーのビットコイン購入の勢いは衰えることを知らず、資本調達とビットコイン購入の動きが今後1年半ほど続くと予想されている。この戦略は企業の財務戦略の一環であり、ビットコインの価格が上昇する中で大きな利益を得ることを目指している。

金融市場の変動とビットコインの位置づけ

同日のニューヨーク市場では、株価の続伸とドルの下落が観測された。トランプ次期米大統領が著名投資家スコット・ベッセント氏を財務長官に指名したことが、米国債利回りの低下を引き起こし、株式市場に好影響を与えた。主要株価指数が上昇し、中小型株で構成されるラッセル2000指数が過去最高値を更新した。利回り低下で金利に敏感な不動産株も上昇した。

一方で、ドルは2年ぶりの高値から反落し、ユーロは0.83%高となった。これは、ベッセント氏が財政保守派と見られている一方で、強いドルを支持しているため、ドルの下落が一時的なものである可能性を示唆している。

このような市場の動きの中で、ビットコインも注目を浴びている。ビットコインは9万4749ドルと、22日終盤の水準を5%近く下回っており、心理的節目となる10万ドルの大台を前に利益確定売りが出たとみられる。しかし、マイクロストラテジーのようにビットコインを戦略的に購入する企業が増えるにつれ、ビットコインの市場での位置づけはさらに強固なものになっていくと考えられる。

今後の展望とビットコイン市場の行方

ビットコインはそのボラティリティの高さから、一部の投資家にとってはリスクが高い資産と見なされることもあるが、同時に高いリターンを期待する声も多い。特に企業が資産としてビットコインを保有する動きが進む中で、市場の成熟度が問われている。

バーンスタインの予測によれば、マイクロストラテジーのような企業がビットコインの保有比率を高めることで、ビットコイン市場の流動性が向上し、価格の安定化にもつながる可能性がある。また、中央銀行や政府による規制の動きも注視される中で、ビットコインを含む暗号資産の将来性は、世界経済のデジタル化の流れの中で大きな影響を与えることが予想される。

さらに、ビットコインの価格が10万ドルという心理的な節目を超えるかどうかは、今後の市場の動向を占う上で重要なポイントとなるだろう。利益確定売りや規制の動きが価格にどのように影響を与えるのか、また、マイクロストラテジーをはじめとする企業の投資行動が市場にどのような影響を与えるのか、注目が集まっている。

このように、マイクロストラテジーのビットコイン購入は、単なる企業の投資活動にとどまらず、金融市場全体に影響を与える要素となっている。ビットコインの市場価値がどのように変遷していくのか、そしてそれが世界経済にどのような影響を及ぼすのか、引き続き注視する価値があるだろう。

[山本 菜々子]