HY、12年ぶり紅白歌合戦で「366日」を披露
HY、12年ぶり紅白出場で奏でる「366日」への思い
沖縄出身の4人組バンドHYが、12年ぶりに「第75回NHK紅白歌合戦」に出場することが決定し、地元沖縄でも祝福ムードに包まれている。彼らが選んだ曲は「366日」。この曲は、元々は恋愛の歌として広く知られているが、時を経る中でその意味合いが変化している。特に、2011年の東日本大震災以降、被災地での演奏を通じて「二度と会えない人を思う歌」としての一面も持つようになった。
仲宗根泉さんはインタビューで、「当初は恋愛の曲として歌っていましたが、被災地での経験を通じて、家族や友情など、様々な愛の形を歌えると考えるようになりました」と語っている。その言葉通り、HYはただの音楽グループではなく、社会の変化に寄り添い、その時々の人々の心に響く音楽を提供し続けている。
地元・沖縄の支えと恩返し
HYの紅白出場に際し、地元沖縄県うるま市の役所には「祝!HY紅白出場」という横断幕が掲げられた。地元の人々の応援を受け、新里英之さんも「みんなで応援してくれているのが嬉しい」と感謝の意を表している。沖縄という地域は、独自の文化と豊かな自然に恵まれ、多くのアーティストにとってインスピレーションの源だ。HYにとっても、地元の支えは音楽活動の大きな原動力となっている。
沖縄は、その美しいビーチやエメラルドグリーンの海だけでなく、歴史的な背景を持つ土地でもある。長年にわたって、戦争や基地問題に直面してきた地域であるがゆえに、人々の絆は強く、音楽はその絆をより深める手段として重要な役割を果たしている。HYの音楽も、地元の文化や人々の心情を反映し、聴く人々に深い感動を与えている。
「366日」に込められたメッセージ
HYが紅白で披露する「366日」は、単なる恋愛の歌ではなく、多くの人々の心に寄り添う普遍的なメッセージを持っている。仲宗根泉さんは、「この歌で2024年を締めくくりたい」と意気込んでいる。この曲には「大きな深い愛」が込められており、彼女の言葉通り、恋愛のみならず、家族や友情といった様々な愛の形が表現されている。
「366日」というタイトル自体が、1年に1度の閏年を象徴しており、普段とは異なる特別な日を意味している。この特別な日に思いを馳せたり、会えない人を想ったりすることが、曲の本質であるといえるだろう。
アーティストとしての成長と未来
HYは、結成25周年を迎え、その音楽の歴史を振り返りながらも、未来へと歩み続けている。彼らは、楽曲を通して聴く人々に寄り添い、感動を与えることを使命としている。新里英之さんは「25周年最後に紅白という素敵な花を咲かせることができて嬉しい」と語り、これからも音楽を通じて多くの人々に愛と希望を届ける意欲を示している。
時代は変わり、人々の生活も日々移り変わっていくが、音楽の持つ力は変わらず、むしろその重要性は増している。HYの音楽がこれからも多くの人々の心に響き続けることを期待せずにはいられない。
そして、彼らの音楽が再び紅白の舞台でどのように響き渡るのか、年末の大みそか、全国の視聴者がその瞬間を待ちわびている。紅白歌合戦という舞台で、HYがどのように「366日」を奏で、多くの人々の心をどう震わせるのか、その時が来るのを楽しみにしたい。
[高橋 悠真]