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2024年12月30日 07時10分

スターダム女子プロレス:上谷沙弥と刀羅ナツコの「悪役」魅力が光る

女子プロレス界に巻き起こる新たな嵐:上谷沙弥と刀羅ナツコが示す「悪」の魅力

女子プロレス団体スターダムの両国国技館大会で、観客を熱狂させた二つの試合が行われた。上谷沙弥が中野たむを破り、新たなワールド王者に君臨する一方、刀羅ナツコが舞華を相手に極悪女王の名を高らかに示した。これらの試合は、女子プロレス界における「ヒール=悪役」の存在意義を再び浮き彫りにした。

上谷沙弥の心理戦:巧妙なだまし討ちの背景

上谷沙弥は、スターダムのリングで新たなワールド王者としての地位を確立した。その道のりは決して平坦ではなく、4度目の挑戦でようやく中野たむから赤いベルトを奪取した。試合は彼女の巧妙な心理戦が光った。場外戦でのチェーンを使った攻撃、そして肩を痛めた演技が、観客の心を掴んだ。「真っ赤なウソ」と語る彼女のだまし討ちは、昨年の因縁試合からの続きとして計画されたものだった。

上谷は、ヒールターン以前のスタイルで中野に浄化の幻想を抱かせ、肩を痛がるそぶりで心配させた後に豹変。この狡猾さが彼女を勝利に導いた。試合後に放った「黒い翼を自由に広げる」という言葉は、彼女が悪役として新たなステージに立ったことを象徴している。2025年に向けて、彼女の飛翔がどのような混乱と興奮をプロレス界にもたらすのか、ファンの期待が高まる。

刀羅ナツコの極悪女王としての躍進

刀羅ナツコは、極悪軍団「H.A.T.E.」を率いて舞華との試合に勝利。ノーDQルールという過酷な環境で、凶器を駆使した激闘を繰り広げた。彼女の戦いは、昭和の極悪レスラー、ダンプ松本を彷彿とさせ、ヒールとしての文化を守る姿勢を強調した。

悪役の魅力とプロレス界への影響

プロレスにおいて、ヒールは観客を引き込み、ストーリーに深みを与える役割を担っている。上谷と刀羅の活躍は、ヒールとしての魅力を再認識させるものだった。彼女たちが見せる「悪」は、単なる反抗ではなく、観客に新たな視点を提供する。

上谷の心理戦や刀羅の極端な試合スタイルは、プロレスの持つエンターテインメント性を最大限に活用している。これにより、観客は単なる勝敗以上のドラマを楽しむことができる。スターダムのリングで繰り広げられるこれらの試合は、女子プロレス界の未来を明るくするものである。

今後、上谷と刀羅がどのような展開を見せるのか、ファンの期待は高まるばかりだ。彼女たちの存在が、プロレス界に新たな風を吹き込むことは間違いない。悪役としての彼女たちがどのように進化し、どのような物語を描いていくのか、その行方を見守りたい。

[伊藤 彩花]

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