「グランメゾン・パリ」公開初日、木村拓哉と鈴木京香の感動的舞台挨拶
「グランメゾン・パリ」豪華キャストが魅せる復活の舞台裏
映画「グランメゾン・パリ」の公開初日、都内の舞台挨拶で、主演の木村拓哉(52)をはじめとするキャスト陣が集結し、感動的な一幕が繰り広げられた。特に、病気療養から復帰した鈴木京香(56)の涙の挨拶が観客の心を打った。彼女の復帰作にかける思いと、映画制作の裏にある人々の絆が改めて浮き彫りになったのだ。
鈴木は昨年、体調不良により民放の連続ドラマを降板し、その後の療養生活を経て、この映画でスクリーンに復帰した。彼女は、「体力に不安がある時があった」と自身の不安を吐露しつつも、共演者たちの支えに感謝の意を示した。彼女の言葉には、多くの観客が共鳴したようで、会場は温かい拍手に包まれた。
木村拓哉、シェフ役に込めた思い
主演の木村拓哉は、ドラマ「グランメゾン東京」から続くシェフ役を再び演じることとなった。彼のシェフとしての演技は、かつてのバラエティ番組「SMAP×SMAP」での料理経験が活かされているといい、共演者の沢村一樹(57)からも絶賛された。木村は「20年以上料理をやってきたことが、この役に活きている」と話し、料理監修を務めた故・服部幸應さんへの感謝も述べた。
映画は、2019年に放送されたドラマの続編として、舞台を日本からフランス・パリへと移した。そこでは、国籍や伝統の壁にぶつかりながらも前進していくシェフたちの奮闘が描かれる。この作品は、単なる料理映画ではなく、多国籍のスタッフたちが差別や分断と向き合いながら成長する姿が描かれ、現代社会の課題をも反映している。
コロナ禍を越えて
ドラマ放送から5年が経ち、映画化までには新型コロナウイルスの影響もあった。多くの飲食業界が苦境に立たされる中で、映画制作は慎重に進められた。映画公開に先駆けて放送されたスペシャルドラマでは、パンデミックとの闘いが描かれ、現実の課題をしっかりと取り入れたストーリーが展開された。
この映画は、キャストとスタッフにとっての「宝物」となったと木村は語る。「この宝物を額やケースに入れずに、皆で触りに来てほしい」と、映画を通じて観客との新たなコミュニケーションの場を提供することを願っている。この言葉には、作品に込めた彼の想いと、観客へのメッセージが詰まっている。
舞台挨拶では、特製のエッフェル塔ケーキが登場し、観客とともに映画の公開を祝った。キャスト陣の笑顔に囲まれたこの場面は、映画が単なるフィクションを超えて、現実の絆をも描き出した瞬間となった。
映画「グランメゾン・パリ」は、単なるエンターテインメントを超え、観る者に深い感動と考える余地を提供する作品となっている。新たな挑戦、そして復活の物語を通じて、観客は自身の人生をも重ね合わせることができるだろう。観るたびに新たな発見があるこの作品は、まさに「何度でも召し上がっていただける」映画として、多くの人々の心に長く残ることだろう。
[田中 誠]