三笘薫、アストンビラ戦でブライトンに希望の光
ブライトン、アストンビラとの激闘を制し切れずも、三笘の活躍に光
2024年12月30日、イングランド・プレミアリーグ第19節でブライトンはアストンビラとのアウェイ戦に臨み、2-2の引き分けに持ち込んだ。試合は、ブライトンにとって昨季の悪夢が蘇る舞台となったが、27歳の日本代表MF三笘薫の途中出場がチームに希望の光をもたらした。
ブライトンは試合開始早々、シモン・アディングラのゴールでリードを奪うも、アストンビラの前にすぐに反撃を許した。特に後半に入ってからは、ロジャースのゴールで逆転されるという苦しい展開。それでも、後半13分から投入された三笘が、ピッチ上で存在感を発揮した。
彼のプレーはまるで舞台裏から一気にスポットライトを浴びる主役のようだった。左サイドから巧みに相手を引きつけ、ジョアン・ペドロへと繋ぐ絶妙なパスを通し、最終的にタリク・ランプティの同点弾を演出した。この瞬間、ブライトンファンの心に再び火が灯ったのである。
試合内容と戦術の裏側
この試合は、ブライトンにとって試練の連続だった。前半の流れを掴みかけつつも、ビデオ判定によりPKを与えられるという不運に見舞われ、さらには後半開始早々の失点も重なった。ファビアン・ヒュルツェラー監督は試合後、「我々は良いプレーをしたが、勝利には一歩届かなかった」と悔しさを滲ませた。
彼の言葉の通り、ブライトンは試合を支配する時間帯もあったが、勝負の綾をつかみきれなかった。アストンビラの粘り強さと、ブライトンの決定力不足が影響した形だ。特にビデオ判定でのPKは微妙な接触であり、試合後も多くの議論を呼んでいる。三笘も「難しい判定でした」と振り返るように、判定一つで流れが変わるのがサッカーの醍醐味であり、時に怖さでもある。
三笘の価値とブライトンの未来
今シーズン、スタートから順調とは言えないブライトンにとって、三笘の存在は大きい。彼のプレーには、単なる技術の高さにとどまらず、試合の流れを変える力がある。ベンチスタートからの登場であっても、その影響力は計り知れない。まるで予備の切り札を持つかのように、監督にとっても頼もしい存在だ。
三笘自身も「点を取らなくてはいけない状況でより攻撃に力を入れて(点を)取りに行くぞという姿勢を示さなければならない」と語るように、彼はチームの逆転に向けた重要なピースであることを自覚している。サポーターにとっても、彼のプレーは希望の象徴であり、これからの試合に向けた期待を高める要因となる。
ブライトンは、シーズン前半戦を終え、勝ち点27で10位につけている。順位こそ中位だが、チームはまだ成長過程にあり、後半戦での巻き返しが期待されている。監督のヒュルツェラーも「ポジティブな面も見なければならない」と語るように、チーム全体の底上げと三笘のさらなる活躍が鍵となるだろう。
来年のスタートは、強敵アーセナルとの対戦が控えている。ブライトンがどのように準備を進め、後半戦での飛躍を遂げるのか。三笘薫のプレーがその鍵を握ることは間違いない。新たな年に向け、ブライトンの挑戦は続く。
[鈴木 美咲]