矢板中央の「赤い壁」が日章学園エース高岡伶颯を封じる
高校サッカー選手権、矢板中央の「赤い壁」が日章学園のエース高岡伶颯を封じ込める
全国高校サッカー選手権大会の2回戦、矢板中央(栃木)が日章学園(宮崎)を2-1で下し、3回戦に進出した。この試合は、矢板中央の堅牢な守備と、日章学園のエース、FW高岡伶颯(れんと)の対決が大きな見どころとなった。
高岡伶颯は、イングランド・プレミアリーグのサウサンプトン入りが内定している期待の星だ。初戦では、ハットトリックを達成し、強烈なインパクトを残した。しかし、今回の試合では「新・赤い壁」と称される矢板中央の守備陣がその才能を抑え込む形となった。
矢板中央の堅守、日章学園の攻撃を封じる
試合の序盤から日章学園は、矢板中央の「赤い壁」に挑戦すべく、攻撃を仕掛けた。立ち上がりからロングスローやセットプレーを駆使し、矢板中央の守備ラインを崩そうと試みたが、矢板中央のDF陣は全く動じない。特に、試合の重要な場面での集中力とチームとしての連携が光った。
13分に矢板中央のFW加藤神人が先制点を挙げたが、その後も日章学園の攻撃は続いた。高岡が相手DFを引きつけつつ、絶妙なポジショニングで同点弾を決める場面もあった。しかし、日章学園が攻め立てる中で矢板中央の守備は揺るがない。守備の要である小倉煌平を中心に、相手の攻撃を次々とシャットアウトした。
後半には矢板中央の途中出場のFW山下魁心と朴大温が連携し、貴重な勝ち越しゴールを奪取。これにより再びリードを奪った矢板中央は、試合終盤にかけて日章学園の猛攻を凌ぎ切った。
エース高岡伶颯、さらなる成長を期待
彼は、試合中にシュート数を重ねるなど積極的なプレーを見せたが、運にも見放され、ゴールポストやDFのブロックに阻まれる場面が続いた。とはいえ、彼のプレースタイルや技術は既にプロの舞台で通用するレベルに達しており、今後の成長にも多くの期待が寄せられている。
高校サッカー選手権は、若い選手たちが全国の舞台で実力を証明する貴重な機会だ。高岡のような次世代を担う選手たちが、どのように自らの可能性を広げていくのか、これからも目が離せない。
この試合を通して、矢板中央の守備の強さと日章学園の攻撃力という対照的なチームカラーが浮き彫りになった。両校の選手たちは、観客に多くの感動を与えると同時に、高校サッカーの魅力を再確認させてくれた。矢板中央は次のラウンドでもその「赤い壁」をさらに磨き、さらなる高みを目指していくだろう。
[山本 菜々子]