スポーツ
2025年01月02日 22時11分

涙と挑戦の青春ドラマ:矢板中央の堀内選手と上田西高の熱戦

涙の終幕と新たな冒険:矢板中央の堀内凰希選手が見た夢と現実

矢板中央高の10番、堀内凰希選手は、地元での壮絶な戦いを経て、高校サッカー選手権の舞台から涙を流しながら去りました。彼の心に去来するのは、地元長野での敗北という苦い現実です。「何のために県外に出たんだって…」という言葉には、強くなりたいという彼の純粋な願いと、その夢が現実とぶつかった瞬間の痛みが込められていました。

堀内選手は、中学時代に所属していたAC長野パルセイロU-15を離れ、矢板中央高の門を叩きました。彼が選んだのは、更なる成長を求めての県外進出でした。彼のように、地元を離れて新たな環境に飛び込む選手は少なくありません。地方の有望な選手たちが、より高いレベルを求めて名門校を選ぶのは珍しいことではないのです。しかし、それには自分を試すだけでなく、故郷への帰属意識や期待の重圧とも向き合う必要があります。

堀内選手が心に抱くのは、地元での敗北だけではありません。「もっと高いレベルに行きたい」という強い意志と共に、彼は新潟医療福祉大への進学を決め、プロサッカー選手としての道を切り開こうとしています。岡崎慎司選手のプレースタイルを目指し、彼は「際を飛び込める選手」になることを誓います。その姿はまるで、荒波に真正面から飛び込む勇敢なサーファーのようです。

上田西高の挑戦者精神:雑草魂でベスト8進出

一方、堀内選手を打ち破った上田西高は、矢板中央を彷彿とさせる粘り強さを見せつけました。特に、DF東風谷崇太選手の活躍は印象的でした。彼は試合開始直後にPKを献上するも、すぐに先制ゴールを決めてそのミスを取り返しました。彼の奮起は、チームメイトの「大丈夫、前を向け」という励ましの声に支えられました。まさに、チーム一丸となって勝利を掴んだ瞬間でした。

上田西高の戦い方は、まるで草木がアスファルトの隙間から力強く芽を出すかのようです。彼らは「雑草魂」で、チャレンジャー精神を持って一戦一戦を戦っています。次の相手は強豪、流通経済大柏高。どのチームも一筋縄ではいかない相手です。しかし、彼らにとっては、どんな強敵も乗り越えるべき壁に過ぎません。

上田西高の白尾監督は、「1人1人がカンテのように守備をがんばれた」と選手たちを称賛します。フランス代表のカンテ選手のように、彼らは走り続け、守り続けることで、チームの勝利に貢献しています。準々決勝での試合は、彼らのさらなる成長と挑戦の場となるでしょう。

高校サッカーの舞台は、夢と現実が交錯する場所です。堀内選手の涙も、上田西高の歓喜も、すべてはこの一瞬に刻まれた青春の一幕です。選手たちの未来は、まだまだ続く長い道のりの途中にあります。彼らが次にどのような物語を紡いでいくのか、見守りたいと思います。

[山本 菜々子]

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