中村雅俊と小日向文世が再会!映画『サンセット・サンライズ』で宮城の魅力を再発見
中村雅俊、元付き人・小日向文世との再会に感慨深い映画『サンセット・サンライズ』
この映画は、楡周平氏の同名小説を原作に、新型コロナウイルスのパンデミックによって生活が一変した2020年を舞台にしています。東京のサラリーマンである菅田将暉演じる西尾晋作が、リモートワークをきっかけに宮城県南三陸町への“お試し移住”を決意する物語です。映画は、移住先での新たな生活を通じて、彼が新しい幸せの形を見つけていくヒューマンコメディーとして描かれています。
宮城県出身の中村雅俊が挑む初の宮城弁
宮城県女川町の出身である中村雅俊は、俳優人生で初めて宮城弁に挑戦したことに感慨を覚えました。彼は「デビューして51年目にして、初めて宮城弁をしゃべらせてもらった」と述べ、地元の言葉を演じることへの特別な思いを語りました。「ネーティブなはずなんだけど、けっこう練習しました」と笑いを交えながらも、その挑戦に対する情熱が伝わってきます。
中村が映画で演じたのは、宮城の漁師役です。彼の演技を通じて、宮城の自然や文化がどのように描かれるのか、観客にとっても楽しみなポイントです。宮城弁の使用は、映画のリアリティを高め、観る者に地元の魅力を再発見させる重要な要素となるでしょう。
小日向文世との再会がもたらした感動
中村雅俊にとって、本作でのもう一つの大きな喜びは、小日向文世との共演です。かつて中村の付き人だった小日向との再会は、彼にとって特別な思い出となりました。舞台挨拶では「初めてタイトルで隣同士で並べてすごくうれしかった」と喜びを隠しきれない様子で語っていました。
小日向とのエピソードも興味深いものです。中村は、若かりし頃の小日向が貸したつなぎをそのまま番組で着てしまったことを振り返り、「あれどうしました?」と聞かれた時のことを笑い話として披露しました。このような裏話は、映画製作の背景を知る上で、ファンにとって興味をそそる話題となります。
菅田将暉が演じる現代の移住者の姿
一方で、主演の菅田将暉も現代の問題を巧みに描いています。彼が演じる西尾晋作は、宮城へ移住することで新しい人生の可能性を探ります。リモートワークの普及により、都市から地方への移住が現実的な選択肢となった今、この映画は多くの人々にとって共感を呼ぶテーマです。
映画『サンセット・サンライズ』は、地方移住がもたらす可能性と、そこで出会う新しいコミュニティとの関係性を描くことにより、現代社会における新しい幸せの形を提示しています。特に、パンデミック後の生活スタイルの変化を背景に、都会と地方の二元論では捉えきれない多様なライフスタイルが描かれており、観客に新たな視点を提供してくれることでしょう。
[田中 誠]