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2024年12月19日 10時20分

AI時代の新展開:ChatGPTと動画生成AI「Sora」で変わる日常

AI時代の次なるステップ:音声と動画生成の融合がもたらすもの

人工知能の進化は、我々がテクノロジーと対話し、クリエイティブな活動を行う方法に劇的な変化をもたらしています。2024年、OpenAIはその最前線に立ち、ChatGPTを電話とWhatsApp経由で利用可能にする一方、動画生成AI「Sora」の公開で新たな地平を切り開いています。これらの発展は、AIが私たちの日常生活にどのように溶け込み、クリエイティブな可能性を広げるのかを示しています。

声を聞いて、観る時代へ:ChatGPTの音声機能

米国とカナダの住民は、1-800-ChatGPTに電話をかけるだけで、ChatGPTと音声で会話を楽しむことができます。この新機能は、AIとのインタラクションをより直感的かつアクセスしやすくするものです。特に、スマートフォンやコンピュータを持たない人々にとって、フィーチャーフォンや固定電話から利用できるという点は革命的です。新しい言語を学ぶ際に翻訳を頼んだり、旅行中に見つけたユニークな建物についての情報をその場で得ることができるなど、便利さの幅が広がります。

この新機能は、OpenAIが12日間連続で発表した革新の一環として登場しました。これは、AI技術がますます生活に密着し、かつては想像もしなかった方法で我々のコミュニケーションを変容させていることを示しています。音声でのやり取りは、視覚に頼らずとも情報を得る手段を提供し、テクノロジーのバリアフリー化を進めています。

クリエイティブの民主化:動画生成AI「Sora」の登場

2024年初頭に発表された動画生成AI「Sora」は、プロンプトを入力するだけで簡単に動画を生成できる画期的なツールです。筆者が試したところ、英語で詳細なプロンプトを使用することで、顕微鏡を操作する科学者ネコの動画が生成されました。日本語でのプロンプトは短くシンプルにする必要があるものの、ユーザーが想像力を駆使して自分だけのコンテンツを作り上げることができる点は魅力的です。

Soraは、ユーザーがRemixやBlendといった機能を使って動画をカスタマイズする能力を提供します。例えば、ユニコーンの鬣の色を変更したり、異なる動画を組み合わせたりすることができます。これにより、ユーザーは自分だけの物語を映像として表現することができ、クリエイティブな活動がより身近なものとなります。

ただし、Soraの利用には制限があり、ChatGPT Plusでは5秒の動画を月50本まで生成できます。より多くのコンテンツを求めるユーザーは、ChatGPT Proにアップグレードすることを検討するかもしれません。この制限は、個々のユーザーが計画的にコンテンツを制作することを促し、自分のアイデアをどのように具現化するかを考えるきっかけになります。

生成AIが拓く未来:コンテンツ消費の新たな形

生成AIの進化は、我々がコンテンツを消費する方法にも影響を与えています。自作の動画や音楽を自ら楽しむという新たな消費スタイルが広がりつつあります。これは、プロの制作物とは異なる個人的な関わりをもたらし、ユーザーが自分の創作物に対してより親しみを感じることができます。

しかし、「自作」とは何なのかという問いも浮かび上がります。生成AIがクリエイターの著作権を侵害しているとの主張により、OpenAIを含む企業が訴えられている状況では、AIが生成するコンテンツの法的地位は曖昧です。これらの裁判がどのように進展するかは、生成AIの未来に大きな影響を及ぼします。

もし生成AIが合法と認められれば、私たちはプロのコンテンツよりも自作のコンテンツに時間を費やすことが増えるかもしれません。この変化は、エンターテインメント業界やクリエイティブ業界にとって大きな挑戦となるでしょう。

音声と映像の生成AIがもたらす革新は、我々の生活を豊かにするだけでなく、我々自身のクリエイティビティをも試すものであり、未来への扉を開く鍵となっています。

[鈴木 美咲]

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