ホンダ「プレリュード」、電動化時代に再登場
ホンダ「プレリュード」、25年ぶりの復活とその意義
電動化への道:ホンダの戦略
ホンダは、2050年までにカーボンニュートラルを達成し、2040年には全販売車両を電気自動車(EV)と燃料電池車にするという大胆な目標を掲げています。プレリュードの復活は、この長期的な目標に向けた一歩です。既に「アコード」や「CR-V」などのモデルでハイブリッド化が進んでおり、新型「プレリュード」もその波に乗る形となります。
ホンダのハイブリッドシステム「e:HEV」は、2基の電気モーターと高効率エンジンを組み合わせたもので、電動化とスポーツ性能の両立を目指しています。このシステムは、走行中のエンジンサウンドを制御する「リニアシフトコントロール」を搭載しており、まるで有段ATのようなシフトチェンジを実現しています。「ホンダS+シフト」と呼ばれる最新の技術も追加され、より刺激的な走りを提供します。
CES 2025とHonda 0シリーズの未来
ホンダはまた、2025年1月に開催される「CES 2025」で「Honda 0シリーズ」のプロトタイプを公開します。「薄い、軽い、賢い」をコンセプトとするこのシリーズは、EVの新しい方向性を示しています。ホンダ独自のビークルOSや自動運転技術を搭載したこの車両群は、2030年までにグローバル市場に7モデルを投入する予定です。これにより、ホンダはソフトウェアデファインドビークル(SDV)の分野でも存在感を示すことになります。
新型プレリュードの試乗レポート
ホンダの栃木プルービンググラウンドで新型プレリュードのプロトタイプに試乗した印象は、「単なる実用車とは一線を画するものである」というものでした。試乗車は、ヨーロッパで公道テストが行われた左ハンドル仕様の車両でした。この試乗は、「Honda e:HEV事業・技術取材会」というメディア向けイベントの一環として行われ、ホンダの次世代のハイブリッド技術が披露されました。
試乗したモデルは、2リッター直列4気筒エンジンと2基の電気モーターを組み合わせた「e:HEV」システムを搭載しており、特に印象的なのは「ホンダミュージック」とも言えるエンジン音でした。ASC(アクティブサウンドコントロール)と連携し、室内には迫力あるエンジン音が響き渡り、ドライバーの気分を高揚させます。また、コーナリング中にはエンジン回転数を高めて維持する制御が行われ、発電によりコーナー立ち上がりの加速に備える機能も備えています。
ホンダの未来に向けて
ホンダは、プレリュードの復活や「Honda 0シリーズ」の導入を通じて、電動化と環境への配慮を進めつつ、ドライビングの楽しさを追求しています。このアプローチは、単なる移動手段としての車ではなく、運転する喜びや個々のライフスタイルに合わせた提案をすることに重点を置いています。
車の一体感や走りの楽しさを大切にしながら、環境への配慮も忘れない。ホンダのこうしたバランス感覚は、未来の車作りにおいても重要な要素となるでしょう。ますます進化する技術とともに、その方向性がどのように具体化されるのか、これからのホンダの動向に目が離せません。
[松本 亮太]